
一年前から作り続けてきた新刊『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』が、無事に完成し、雷鳥社から見本誌をもらいました。現物をカメラで撮影したので、実際どんな本なのか、具体的にご紹介していこうと思います。
この本のアートディレクションを手がけてくださったのは、あきやまなおこさん。『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』に続き、今回もご担当いただきました。前作と同じかそれ以上に、現地の冬の温度感が伝わってくる、端正で清々しいデザインに仕上げていただいています。

カバーに使用している写真は、表紙側から裏表紙側にかけて、一枚の写真をぐるりと巻くような形でレイアウトしています。この配置を狙って撮った写真というわけではもちろんないのですが、結果的にうまく表紙にはまってくれて、良い佇まいにすることができました。

カバーに使用しているのは、『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』と同じ「スノーフィールド」という紙です。その名の通り、雪原が日射しを受けて輝くように、光をきらきらと反射させる特徴を持っています。今回の写真にもまさにぴったりで、実際に手に取ると、そのえもいわれぬ雰囲気を感じ取っていただけると思います。

『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』と『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』を並べてみました。ご覧のように、判型、カバーの紙、帯の紙など、同じ系譜を継ぐ本として意識的にデザインしていただいています。本文組も、基本的には同じフォーマットです。

ページをめくっていくと、冒頭からいきなり、かなり刺激の強い写真が現れます(笑)。これはスピティのデムルという村の郊外で行われた、神下ろしの儀式を撮影したもの。

同じくデムル村の郊外の別の場所で遭遇した、雪豹の母親と子供。僕が生まれて初めて生で見た、野生の雪豹たちでした。この写真を撮るのにも、いろいろ苦労がありました……。

雪豹や野生動物についてだけでなく、冬のスピティでの人々の暮らしぶりも、豊富な写真と文章で描写しています。この見開きは、キッバル村で撮影した写真たち。

物語の中盤からの主役的な存在となる、雪豹の双子の兄妹。彼らの一挙手一投足を、ひたすら見つめ続け、撮り続けた日々だったと言えるかもしれません。

今回、『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』を刊行するにあたって、雷鳥社の方で限定のノベルティグッズを制作していただきました。ポストカードは、フェアなどを開催していただく一部の書店のみで配布されるもの。しおりは、もっと多くの書店で幅広く配布していただくグッズです。店頭で見かける機会があったら、ぜひゲットしてください。

そんなこんなで、この『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』という本、僕だけでなく関係者一同、自信を持ってお届けできる一冊になったと自負しています。書店で見かける機会がありましたら、ぜひ手に取って、眺めて、ページをめくってみてください。最後まで読み終えた時に、皆さんの心の中にほんの少しでも温かいものが残るようなら、これほど嬉しいことはありません。
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