チャダルの記憶
今回はちょっと奮発して、チャダルを旅した時に撮影した写真のうち、まだ未公開のものを、どーんとご紹介しようと思います。眺めているだけで寒々としてくる光景の数々をご覧ください。 それにしても、寒かったなあ、チャダルは‥‥。
Days in Ladakh ラダック滞在記 │ 山本高樹
今回はちょっと奮発して、チャダルを旅した時に撮影した写真のうち、まだ未公開のものを、どーんとご紹介しようと思います。眺めているだけで寒々としてくる光景の数々をご覧ください。 それにしても、寒かったなあ、チャダルは‥‥。
カルシャを発った僕たちは、パドマ君とツェリン君の故郷、ツァザルに向かいました。途中で川の凍った部分を渡り、崖の上にある村を目指します。
ザンラから丸2日、陸の上の深い雪道を歩き続けた僕たちは、カルシャに到着。休養も兼ねて、ここに2日ほど滞在することにしました。 2日目の朝は、それまでの曇天続きが嘘のような雲ひとつない快晴。澄んだ青空に、雪山が眩しいほどに輝いていました。
ニラクに着いた日に降りはじめた雪は激しさを増し、丸2日降り続けました。次の行程には難しいポイントが待ち構えているため、僕たちは村の下手にある小さな石造りの小屋の茶店に泊めてもらって、天候の回復を待つことにしました。
ザンスカールでは冬になると、外界との交通路にある峠がすべて雪で塞がってしまいます。そんな厳しい冬のさなか、凍結したザンスカール川の上に現れる唯一の道‥‥人々はそれを「チャダル」と呼びます。遠い昔から使われてきたその幻の道を辿ることが、今回の旅の目的です。 僕たちはレーからチリン方面行きのバスに乗り、終点のグル・ドという地点で下車。その日はザンスカール人が経営する茶店に泊まり、これから始まる長旅に備 […]
・パドマ・ドルジェ(中央) ザンスカール、ツァザル出身の31歳。トレッキングガイドとして10年のキャリアを持ち、特にチャダルの経験は数え切れないほど。刻々と変化する氷の状態を的確に判断し、常に一番安全なルートを僕に示してくれました。去年の夏、ラマユルからパドゥムまでのトレッキングの途上で、別のグループのガイドを務めていた彼と仲良くなり、「僕が旅行代理店を通さずに個人でアレンジするから、一緒にチャダ […]