『ラダック旅遊大全』完成しました!

2023年12月8日(金)に雷鳥社から発売される拙著新刊『ラダック旅遊大全』。一部の書店では先行販売が始まっていますが、僕の手元にも、完成品が先日届きました。実物はどんな感じの本なのか、写真を交えてご紹介したいと思います。

今回の本の装丁を担当していただいたのは、タイプフェイスの谷関笑子さん。情報を密に詰め込んだ本に必要な読みやすさとともに、旅先でも持ち歩きたくなる機能性と軽快さを念頭にデザインしていただきました。本の大きさはB6変形判(182mm×129mm×16mm)。前作のガイドブックより、バッグから出し入れする際にもひっかかりにくいサイズです。総ページ数は224ページで、うち190ページ程度がカラーです。

カバーの外側には太めの帯が巻かれていて、ザンスカールの聖山ゴンボ・ランジョンの写真があしらわれています。本の表紙をめくったところにある最初の1ページ目にも、ゴンボ・ランジョンの写真が掲載されていますが、その写真は……見てのお楽しみです(笑)。

帯を外してカバーのみの状態にすると、まったく違う佇まいの本になります。ラダックの青空と乾いた大地の色をイメージしたグラデーション。円弧を描く英文タイトルの部分は、曼荼羅などによく見られる円弧のモチーフをイメージしたもの。そしてこのカバーに使用されている紙には、抗菌作用がある特殊なコーティングが施されていて、持ち歩いていても普通の紙より汚れにくくなっているそうです。実際にフィールドでテストしたわけではないので、何とも言えないのですが……(笑)。

本の一番最後の部分には、広げると縦横30cm以上の大きさになる、大判の折込地図が付属しています。表側には、ラダック、ザンスカール、スピティの全域をカバーする地図。裏側には、レーの市街地図と中心部の拡大図、パドゥムの市街地図、カザの市街地図が掲載されています。

巻末の折込地図は、このような形で本体に綴じられているのですが、旅先などで頻繁に開いたり閉じたりしていると、のりしろの部分などから、ビリッと破れてしまう可能性があります(構造上、致し方ないのですが)。旅先で地図をフル活用するつもりの方は、あらかじめ、のりしろの部分からカッターやはさみなどで地図を丁寧に切り離し、折り畳んだ状態で本に挟んでおくと、使いやすいかもしれません。

この本には巻頭の十数ページを中心に、大小のカラー写真が豊富に掲載されています。この写真は、2023年の夏にハンレで撮影したもの。ツアーガイドの仕事のさなか、あまりに見事な虹が出現したので、車を停めてもらって(すみません、笑)撮影した写真なのでした。

この本に掲載している写真は、ほとんどが僕自身の撮影によるものですが、2枚だけ、他の写真家の方からお借りしている写真があります。アルチ・チョスコル・ゴンパのスムチェク(三層堂)内部のユム・チェンモ(般若波羅蜜仏母)の壁画の写真は、2016年に亡くなられた写真家の井上隆雄さんの撮影によるものです。井上さんの作品のデジタルアーカイブ化を進めている京都市立芸術大学芸術資源研究センターさんから、データをお借りしました。もう1枚、スピティのタボ・ゴンパ内部の写真は、写真家の竹沢うるまさんからお借りしています。どちらも現在は内部の撮影が許可されていない僧院なので、非常に感謝しています。

本の中には、折込地図とは別に、各地を部分拡大した地図を掲載しています。車などで移動中に見る分には、これらの部分拡大地図で十分かもしれません。情報量=文字数が非常に多い本なのですが、文章の部分は、できるだけ読みやすいように配慮してデザインしていただいています。

本の後半には、この地域の伝統文化や生活様式、宗教、自然、歴史などについての情報を詰め込んでいます。写真の見開きページは、この地域の主な伝統料理についての紹介。個人的に気に入っているページの一つです。

『ラダック旅遊大全』がいささかとち狂ってる本であることを象徴するページの一つが、これ。ラダック、ザンスカール、スピティの年中行事や各地の僧院の祭礼のうち、チベット暦に基づいて日程が決まる行事について、確認可能なものをすべて調べ上げて、10年分の太陽暦の日程をまとめています。明らかにやりすぎですね……(笑)。

というわけで、『ラダック旅遊大全』はこのような感じの本なのですが、すでにお手元に届いた読者の方々からも、その振り切れっぷり(笑)に対するご感想をいただいていて、とても嬉しいです。手に入れるのはこれからという方にも、存分にお楽しみいただいて、かの地への旅にも役立てていただけることを祈っています。

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