僕がレーで拠点にしているゲストハウスは、メインバザールから歩いて15分ほどの町外れにあります。慣れてしまえばどうということはないのですが、初めてレーに来た人にはかなり遠く感じられるため、町からはるばるやってきてうちに部屋を求める人は、それほど多くありません。まあ、もともと客室は5部屋しかないし、風呂もトイレも共同なので、あまりたくさん客が来ても困るわけですが。デチェンさん自身も、「お客さんはあんまりたくさん来すぎない方がいいねえ」と言ってるし(笑)。
そんなせいもあってか、うちの宿に泊まりに来る人は、前にも泊まったことのあるリピーターが多いのです。そしてほとんど例外なく、面白い人が多い。
シチリア島生まれで、今はフランスで英語とイタリア語の教師をしているキャロルは、なんと14年も前から毎年のようにラダックにやってきている常連さん。「今年は南インドに行ったんだけど、モンスーンの雨にうんざりしちゃって、またラダックに飛んできちゃったの」。チェコ人のルブラは、ティクセをはじめ、あちこちのゴンパや学校に衣類やコンピュータなどを提供する活動をしています。「ラダックでウインドウズをアップデートすることが、僕のバケーションなんだよ」。4年前にラダックを訪れたドイツ人のガブリエルは、今度は結婚したばかりの奥さんのティナを連れて、新婚旅行でラダックにやってきました。しかし、新婚旅行なのに、ツォ・カルからツォ・モリリまで、標高5000メートルの高地をトレッキングするのはどうかと思うぞ、ガブリエル(笑)。
そんな泊り客たちは、自分たちの部屋に引き籠もったりせず、台所まで下りてきては、デチェンさんやほかの泊り客たちと一緒にワイワイ言いながら、おいしそうにごはんを食べています。みんな本当に、ラダックが、そしてこの宿のことが好きなんだなあと感じるひとときです。
ある日、ガブリエルが僕に言いました。
「タカ、僕は不思議に思うんだ。ここは町外れにある小さな小さなゲストハウスなのに、どうしてこんなに気持のいい人たちばかりが集まるんだろう?」
僕もそう思います。誰も彼も、会えてよかった、と心から思える人たちばかり。
そんな彼らも、一人、また一人と旅立っていきます。ラダックに、少しずつ秋の気配が近づいてきています。
素敵な話ですね!
因みに、私新婚旅行はモルディブやヨーロッパよりトレッキングが良いです(笑)。
そんな所に一緒に行っても、頼りがいのある男性と結婚したいものです。いつの日か…。
それでは、明朝ラダックで!
いいですね。
ちょっと離れてるからこそ?、何かをかぎつけて集まってくる。
不思議でもなんでもなく、世の中そんなもんと思います。
yama-takaさんの伝えたいこと、伝わる人にはきちんと伝わる。
伝わらない人には、100回言ってもきっと伝わんない(笑)
書き手としてはジレンマもあるかと思いますが、(私もかつてヒジョーに感じました)
自分の中心がしっかりあればだいじょうぶなんです。
これからもラダックの風が届くのを、楽しみにしてます。
>アラリさん
新婚旅行トレッキング派ですか(笑)。ちなみにティナは「5000メートルもあるところでテントを張って寝てたなんて、うちの家族にはとても言えないわ‥‥」と笑っておりました。秘密だそうです(笑)。
>kaiさん
ありがとうございます。自分で言うのも何ですが、今回のプロジェクトが全部終わって日本に戻ったら、たぶん、ものっすごいイキオイでラダックのことを書きまくれるような気がしています。それくらいモチベーションが上がってるんですよ、今。