ダライ・ラマ法王のティーチング

8月14日、16日、17日、18日、19日の5日間、レー近郊のチョグラムサルで、ダライ・ラマ法王のティーチングが開催されました。法王は毎年、夏の静養でラダックを訪れるたびに、ティーチングを行うことが恒例となっています。「法王様のティーチングの日に家にいるラダッキなんて、一人もいないよ!」とデチェンさんが言うくらい、ラダックの仏教徒にとっては一年で一番大切なイベントです。

会場となった法王の邸宅、ジワツァルの広大な敷地には、連日朝早くから数万人もの人々が集まりました。これだけ大勢のラダッキを一度に見たのは、ちょっと記憶にありません。レーからここまでは大渋滞で、バスでたどり着くだけで一苦労です。

17日のティーチングの前には、700人もの人々が長い列を作って、法王に捧げ物を行うセレモニーが行われました。仏像や経典などいろんな捧げ物がありましたが、一番気になったのは、インド軍のいかつい軍人さんたちが担いでいた、どこにでもありそうな大きな木製の事務机。あ、あれはいったい‥‥。法王自身は、これらを贈り物として受け取るわけではないそうです。

敷地内で坐れる場所を探していると、チベット人一家のおかみさんが、自分たちが坐っている敷物の端を空けてくれました。一家の小さい男の子は、ミルクを飲みながらも僕のカメラやメガネに興味津々。試しにメガネを外してレンズをのぞかせてあげると、目をぱちくりさせておりました。

人が空いてきた頃を見計らって、壇上に接近し、ティーチング中の法王を撮影。ものすごい逆光条件だったので、画質が悪くてごめんなさい。

ティーチング自体は、法王がチベット語で10〜15分ほど話した後、ラダック語と英語(外国人席とFMラジオ放送のみ)の翻訳が流されるという形で進められました。しかし、その内容はかなり高度で、仏教用語もバンバン出てくるため、英語の翻訳を聞いても、僕にはとてもその全容を把握することはできませんでした。翻訳担当の人ですら、時々混乱していたくらいですからね‥‥。

ティーチングで一つよく覚えているのは、瞑想に必要な事柄についての解説で、法王が「いい瞑想に必要なのは、坐り心地のいいクッションです」と言って、場内が笑いに包まれた時。あいかわらずおちゃめだなあ。

ティーチング最終日には、エンパワーメント・セレモニー(日本語で何と言うのかな?)が行われ、来場者には法王のブレスの入った赤いお守り紐が配られました。いただけた方、お互いラッキーでしたね。

個人的には、法王のあの深みのあるあたたかい声をひさびさに耳にし、身体をヒョコヒョコ動かすいつものしぐさを目にして、「お元気そうでよかった‥‥」と本当にほっとしました。70歳を過ぎても、毎月のように世界各国を飛び回って、スピーチやティーチングを行っているダライ・ラマ法王。どうかくれぐれも健康には気をつけて、長生きしていただきたいものです。彼はチベットの人々にとって、唯一の希望なのですから。

2件のコメント

ティーチングが御盆でなければ、私の滞在は間違えなくこの日にしたでしょう、、、。今回の法話は「ラムリム・チェンモ」だったと聞きました。本当に羨ましい。でも、暑さの為朝早くスタートだったんですってね。11月の日本の講演会はチベットハウス主催のはないらしく、神奈川仏教会の講演だけだそうです。今年もお顔を拝したかった。エンパワーメントは日本語で御加持ですよ。

>Kaoriさん
そうそう。御加持ですね。なんでこんな言葉が出てこなかったんだろう(苦笑)。クンガさんは最終日に会場に行けたそうですよ。よかったよかった。
チベットハウス主催のスピーチは今年はないんですか。残念。横浜か‥‥。行けるだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です