Days in Ladakh

インドで1000ルピー札と500ルピー札が突然使用禁止に!

ひさしぶりの更新です。10月はほぼずっと、取材の仕事でタイを旅していました。帰国して10日ほど経って、ようやく日常が戻ってきたという感触です。それにしても日本は寒いですね。今年はほとんど秋を味わえなかったような気がしています。

さて、ほんの数日前、びっくりするようなニュースが飛び込んできました。なんと、インドで使われている紙幣のうち、高額紙幣の1000ルピー札と500ルピー札が突然使用禁止になってしまったのです。旧紙幣は年内のうちに銀行に預金するか、新紙幣(2000ルピー札と500ルピー札)に交換してもらう必要があるのですが、預金の引き出しや新紙幣への交換には金額制限もあるそうで、混乱は避けられそうにありません。実は僕も、次回の渡印に備えて500ルピー札を手元に何枚かキープしていたんですが……どうしようこれ(苦笑)。

今回の突然の紙幣切り替えは、偽造紙幣や不正蓄財などの問題への対策だそうですが、都市部ならまだしも、ラダックのようにそもそも銀行がある場所に行くだけでも一苦労するような僻地はインド国内の至るところにあるわけで、本当に大丈夫なんだろうかと心配になります。まあ、大丈夫なわけがないですよね……こういうところも、インドらしいといえばそれまでですが。

これからインドへの旅行を考えている方、高額紙幣のハンドリングにはくれぐれもご注意を。

写真展「Summertime in Ladakh」を終えて

9月9日(金)から30日(金)まで、綱島の旅カフェ、ポイントウェザーで開催していた写真展「Summertime in Ladakh」、無事に会期を終えることができました。ご来場くださったみなさま、どうもありがとうございました。上の写真は、会期中の9月18日(日)に会場で開催した「ラダック・オフ会」の時の写真です。想定以上にたくさんの方々にお越しいただいたので、店内が大変なことになってしまいました(笑)。

2016年は、三鷹と横浜でも写真展「風息の行方 ラダック ザンスカール スピティ」を開催したので、綱島でのこの写真展と合わせると、約3か月もの間、自分の写真を公の場に展示し続けていた計算になります。これだけ長期間の展示を行ったのは、もちろん初めてです。写真展開催を通じて、本当にいろんな方々に写真を見ていただいたり、本を読んでいただいたりしたので、僕自身にとっても何物にも代え難い経験になりました。

「Summertime in Ladakh」の展示の中心となった作品たちは、今年の夏にラダックのチリンという村に5日間ほど滞在しながら撮影してきた写真です。遠い昔にネパールから来た仏師の業を受け継ぐ鍛冶職人、セルガルたちが暮らす村。彼らとどんな風に向き合っていけば、彼らにも自分自身にも見てくれる人にも腑に落ちる写真が撮れるのか。そんなことを考えながら撮影していた日々でしたが、少なくとも僕自身にとっては、自分なりのやり方で、ちゃんと納得のいく写真を撮ることができた、という手応えを感じられた取材になりました。その成果を、帰国してすぐに写真展で見ていただくことができたのは、ラッキーだったなと思います。

今の段階ではもう、ラダックに関してはアウトプットし尽くしてしまって、自分の中身はすっからかんなのですが(苦笑)、もし、来年以降、新たなインプットを得ることができて、それが自分自身にとっても納得のできるものであったなら、またこういった写真展のような場を設けさせていただけるといいな、と思っています。そのためにまず、一つひとつ、やるべきことを頑張っていこうと思います。

重ね重ね、ありがとうございました。

写真展「Summertime in Ladakh」好評開催中です!

約1カ月ぶりの更新です。これまでの間に2週間ほどアラスカに行っていたりして、まだ心が現世に戻り切れていませんが(苦笑)、写真展「Summertime in Ladakh」が先週末の9月9日(金)から綱島の旅カフェ、ポイントウェザーで始まっています。おかげさまで、開始早々から大勢の方々にご来場いただいているそうで、本当にありがとうございます。「ラダックの写真展なのにゴンパも湖もない」「かなりの割合をおっさんの写真が占めている」などなど、いろんな感想をいただいています(笑)。でも僕としては、撮影時のプロセスも含めてすごく自分自身の中で腑に落ちた、納得のいく写真を展示できていると思っています。人に見ていただく理由のある写真というか。

写真展の会期は9月30日(金)まで。会期中の9月18日(日)午後には、会場をお借りして、ラダックに興味のある方ならどなたでも参加できる持ち寄りオフ会「ラダック・オフ会」を開催します。オフ会の詳細はFacebookイベントページをご参照ください。

写真展へのご来場、お待ちしています!

———

山本高樹 写真展「Summertime in Ladakh」

異国から来た仏師の末裔が暮らす村。9年ぶりに再会した花の民の女性。遊牧民の暮らす標高4500メートルの世界。ヒマラヤのさいはての地ラダックを見つめ続けてきた写真家、山本高樹が、2016年夏に撮影した未発表作品を展示する最新写真展。

会期:2016年9月9日(金)〜9月30日(金)
会場:POINT WEATHER
神奈川県横浜市港北区綱島西1-14-18
http://www.pointweather.net/
火曜〜日曜11:00〜21:00 月曜休
※写真展会場では『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』に未収録エピソード小冊子とポストカード2種をセットにした「ラダックの風息[新装版]限定特典セット」の販売も行います。

トークイベント「写真家たちが見たブータンの素顔」@モンベル渋谷店のお知らせ

今年だけで何度目だという感じでちょっと恐縮ですが、トークイベントのお知らせです。今年6月、4人の写真家の方々とともに訪れたブータンでの体験について、それぞれの写真を交えて語り合うトークイベントに出演させていただくことになりました。日時は9月24日(土)の午後、会場は渋谷のモンベル渋谷店サロンです。きっと面白いトークになると思いますので、ご来場、お待ちしています。

以下、イベントの詳細のご案内です。
Read more

写真展「Summertime in Ladakh」開催のお知らせ

ひさしぶりの更新です。約1カ月のラダック滞在を終え、先日、予定通り無事に帰国しました。ツアーガイドの仕事だけでなく、個人での取材でも貴重な体験をさせてもらうことのできた、実り多い日々でした。

さて、9月9日(金)から30日(金)までの3週間、綱島にある旅カフェ、ポイントウェザーで、ラダックの写真展を開催させていただくことになりました。小さめの規模ではありますが、今年の夏にラダックで撮影してきた最新の写真のみで構成する予定です。ぶっちゃけ、ゴンパもなければ湖もないというマニアックな内容ですが(笑)、「これもラダックなの?!」とちょっと驚いてもらえるような、それでいて「やっぱりヤマタカらしい写真だな」とうなずいてももらえるような、そんな展示にしようと思っています。

春先に引き続き、今回の写真展会場でも、『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』に未収録エピソード小冊子とポストカード2種をセットにした「限定特典セット」の販売を行います。まだ買い損ねているという方、そろそろ「限定特典セット」をゲットできるラストチャンスかもしれないので、お早めに!

以下、写真展の詳細です。
Read more

まっさらな気持で

写真は、去年の夏、ヌブラのトゥルトゥクで撮った、星空と流れ星。

ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]」が発売されてから、3カ月ほど経ちました。この本を実際に作りはじめたのは去年の暮れ頃からだったのですが、それからの約半年間は、本当に怒涛のような日々で……。いつにもまして忙しかったルーティンワークや新規の依頼をこなしつつ、本の編集作業、書店へのご挨拶回り、三鷹と横浜での写真展、合計3回のトークイベントと、過去に記憶がないくらいの忙しさでした。その上、沖縄やブータンに取材に出かけたりもしてましたし。

でも、このタイミングで「ラダックの風息[新装版]」を世に送り出せたことは、僕自身にとっても本当に大きなプラスになったと思います。写真をゼロからすべて再構成して倍増させ、その後の歳月の中で感じていた思いをエピローグの新章(と未収録エピソードの小冊子)に凝縮させたことで、僕がこれまでラダックで積み重ねてきたものをすべて出し切ることができた、と実感しているからです。

これまでのことは、すべてOK。じゃあ、これからは? そう考えた時、今までになくまっさらな気持で、ラダックで、あるいは他の場所で、あれをやりたい、これもやりたい、とたくらんでいる自分がいます。どこまでやれるのか自分でもわかりませんが、だからこそ楽しみというか、やりがいがあるというか。こんなまっさらな気持になれたのも、ひさしぶりかもしれません。

そう、今年もラダックに行く時期が近づいてきました。7月11日に日本を発ち、翌12日にラダック入り。いくつかの取材に取り組んだ後、7月下旬からは現地発ツアーのガイドを務めます(各コースとも催行は決定してますが、お申し込みはまだ間に合うかも)。日本に戻ってくるのは、8月8日の予定です。

まっさらな気持で、再びラダックへ。いってきます。

旅とカメラと言葉が僕にくれたもの

6月11日(土)午後、京都の恵文社一乗寺店で開催した、写真家の吉田亮人さんと装丁家の矢萩多聞さんとのトークイベント「旅とカメラが僕たちにくれたもの」。僕にとって初の東京以外の場所でのイベント出演だったのですが、遠くは兵庫や大阪からなど、たくさんの方々にお集まりいただいて、大盛況のうちに終えることができました。「ラダックの風息[新装版]」も会場でたくさんお買い上げいただいて、とても嬉しかったです。お店の方にも喜んでいただくことができました。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

今回ご一緒した吉田さんと矢萩さんは、トークがとてもナチュラルで面白くて、僕自身、話していてすごく楽しくて、いくらでもしゃべり続けられそうなほどでした。うまく話がまとまっていたのかどうか、例によって記憶が飛び飛びなので自信はないのですが……。ただ、ここ最近、約1週間のブータン取材など、写真家の方々と接する機会が多かったので、僕自身の旅と写真、そして文章の特徴について、おぼろげにつかんでいるだけだったものがある程度整理して捉え直せたような気がしていて、ラダックの話以外に、そのことを少しお話しできたのはよかったかなと思います。

僕は被写体と対峙した時、他のプロの写真家の方々に比べると、全然グイグイ前に行けないんですね。自分の新鮮な感動を瞬間的にズバッと切り取る、というのが、どうも苦手なようで。どちらかというと、ゆっくり、じっくり、慎重に見定めて、相手が人ならコミュニケーションを試みて、撮らせてもらえそうだったら撮る、無理そうならあきらめる。プロの写真家にあるまじき瞬発力のない弱腰な姿勢なわけです。一つの場面に費やす枚数も、全然少ないですし。

ただ、裏を返せば、それが僕の特徴でもある。最近そう思うようになりました。

前に三井昌志さんにも言われたのですが、僕のルーツは物書きなので、何かと対峙する時も、写真家というより物書きとしてのアプローチで考えているのだと思います。その人や風景やものごとを、じっくり見定め、考えて、自分なりに理解したい。そうしなければ撮れない、いや、そうするからこそ撮れる写真も、確実にあると思うのです。まあ、実際に撮り始めたら、意識はほぼ無の状態になっているとは思うのですが……。

その時、なぜ撮るのか、なぜ書くのか、自分なりの必然性を感じられるかどうかを確かめたい。僕にとって、写真を撮ることは、それについての文章を書くことと不可分ですから。逆に言えば、僕の写真は、文章と一体化することで初めて本来の力を発揮できるのかな、とも思います。

そんな風に思いをめぐらしていくと、旅とカメラと言葉が僕にくれたものは、本当に大きなものだったと思います。それらなくしては、今の僕という人間自体が成り立たなかったほどの。だからこれからもずっと、旅とカメラと言葉に関わり続けて、一冊でも多く本を作り続けたいと思っています。