Days in Ladakh

「ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]」

ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]
文・写真:山本高樹
価格:本体1750円+税
発行:ダイヤモンド・ビッグ社
A5変型判152ページ
(カラー144ページ、折込地図付)
ISBN 978-4478821732
配本:2018年3月下旬

インド北部のチベット文化圏、ラダックやザンスカールの一帯を旅するためのガイドブックとして、2012年5月に刊行した拙著「ラダック ザンスカール トラベルガイド インドの中の小さなチベット」。発売以来、おかげさまで多くの旅行者の方々に活用していただいてきたのですが、その一方で、ここ数年で急激に変化した現地の旅行事情と掲載情報とのギャップも目立つようになっていました。そこで今回、現地取材で得た最新情報を基に内容を全面的にアップデートし、さらにヒマーチャル・プラデーシュ州にあるもう一つのチベット文化圏、スピティの情報も追加したラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]を刊行することにしました。

主な変更点としては、全体のページ数を増やすとともに構成を見直し、スピティに関する情報を約14ページ追加。前作以上にみっちみちに情報を詰め込んだ仕上がりになりました。激変した現地の状況を綿密に取材・分析し、現地の協力者の方々から得た情報と併せて、可能なかぎり最新のデータに基づいた改訂を施しています。ニーズがあるかどうかわかりませんが、ラダックとインド映画にまつわるコラムも個人的趣味でいくつか追加しました(笑)。

掲載写真もすべて見直しをかけ、宿や店舗の外観写真を除いても、約120点の写真を新しく選び直しています。正直、そこまで差し替えなくてもよかったのですが、まあ、個人的な意地です(笑)。なので、ガイドブックとしてはもちろん、ビジュアルブックとしても十二分に楽しめる内容になっていると思います。

このラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]が書店に並びはじめるのは、春分の日の後、3月22日(木)頃から。アマゾン楽天ブックスなどのネット書店ではすでに予約受付が始まっています。ちなみに、3月下旬から都内を中心に開催する予定のいくつかのトークイベント会場と、一部の書店での店頭販売分には、本には未掲載のレーの街の情報を詰め込んだ数量限定の小冊子とポストカードを同梱させていただく予定です。この特典をつける形での通販の予定は今のところないようなので(すみません)、「小冊子欲しい!」という方は、イベント会場や書店に足を運んでいただけるとうれしいです。小冊子を入手できるイベントや書店の情報は、また追ってこのブログでお知らせします。

2年前に刊行した「ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]」と同じくらい、僕にとっても大切な存在のこの本を、6年の時を経て生まれ変わらせることができて、本当にうれしく思っています。この本が、これから彼の地へと旅する方々の道標になりますように。よろしくお願いします。

「標高高い系フェス!」開催のお知らせ

毎年この時期に開催する恒例行事となりつつある、写真家の関健作さんとのコラボトークイベント。今年はちょっと趣向を変えて、さらにパワーアップした形で開催させていただくことになりました。その名も「標高高い系フェス!」です。

イベントの内容は、三部構成となっています。第一部は僕と関さんのトークで、ブータンとラダックへの旅行を考えている人向けのアドバイス講座。第二部は、関さんがブータンで体育教師をされていた頃の教え子で、現在大阪で写真家を目指して勉強中のブータン人、イシ・ドルジさんと関さんとのトーク。そして第三部は、ザンスカールのリンシェ村とチャダル・トレックについて書かれた書籍『氷の回廊 ヒマラヤの星降る村の物語』の著者、写真家・映像製作家の庄司康治さんと僕とのトークです。

イベント開催中は、途中参加・途中退場・再入場が可能なので、興味のあるトークを好きに選んで参加していただけます。個人的にも、関さんとドルジさんとのトークには興味津々ですし、大先輩である庄司さんをお招きしてのザンスカールについてのトークも、緊張はしますがとても楽しみです。もちろん、今年の夏の開催を予定している、関さんがガイドを務めるブータンツアーと、僕がガイドを務めさせていただくラダックツアーの詳細情報もご紹介します。

イベントの参加受付方法は、例年のようにメールにて、関さんか僕の書籍を会場で購入していただくか、参加費をお支払いいただくかの選択肢をご連絡いただく形になります。ちなみに今回、僕の書籍では新刊「ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]」と「ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]」のどちらかをお選びいただけるのですが、これらの本を2冊とも会場でご購入いただいた方には、先着で5名様に、ラダックの農村の女性たちが手作りしたフェルト製マーモット人形を1体プレゼントします。これは去年の夏、僕がレーで買い付けてきたものですが、ユルくていい味出してます(笑)。ご予約をご希望の場合は、メールでのイベントご予約時に「B+C」とご指定ください。

あと、会場では関さんと僕の書籍のほかに、チュンチュンprojectさんによるチベット柄マスキングテープの販売もしていただく予定です。漫画家の蔵西さんが絵柄を描かれた、すごく可愛らしくてクオリティの高いマスキングテープなので、この機会にぜひお買い求めください。

以下、イベントの詳細のご案内です。ご予約、お待ちしています!
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ラダックのガイドブック、「増補改訂版」を刊行します!

ようやく、公式に発表できる段階になりました。

2012年5月に刊行した拙著「ラダック ザンスカール トラベルガイド インドの中の小さなチベット」。その内容を現時点での最新情報に基づいて全面的にアップデートし、新たにスピティに関する旅行情報も追加した「増補改訂版」を、2018年3月下旬に刊行します!

内容の改変に伴って、書名も変更になります。新しい書名は「ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]」。今の時点では、表紙の画像など詳しい情報はまだお届けできないのですが、これから順次公開していく予定です。本の発売に際して、トークイベント、展示、キャンペーンなど、企画もいろいろ考えてますので、そのあたりの情報も含め、どうかお楽しみに。

とりあえず今、一生懸命、本、作ってる最中です(笑)。最後の仕上げまで気を抜かないように、がんばります!

「腑に落ちる写真」をめざして

2018年の最初の旅の目的地は、ラオスでした。バンコク経由で古都ルアンパバーンに入り、そこからさらに北へ。中国との国境にほど近い町、ムアン・シンを拠点に、本当に国境スレスレの山中に点在する、アカ族やヤオ族といった少数民族の人々が暮らしている村々をトレッキングで訪ねて回るという旅をしてきました。

雨季にはドロドロにぬかるむ未舗装の道がやっと通じているかどうかというそれらの村々では、僕のような外国人はまだまだ珍しいらしく、村で出会った子供たちも、僕がカメラをちょっと持ち上げただけで「キャーッ!」と蜘蛛の子を散らすように全速力で逃げたり、さらには、100メートルも離れた場所から僕の姿を見ただけで、なぜか号泣しはじめる子もいたり(笑)。僕はラオス語は「サバーイディー(こんにちは)」と「コーブチャイ(ありがとう)」くらいしか知らないので、村の子供たちとも表情と身振り手振りだけでやりとりしていたのですが、そういう体験もひさしぶりといえばずいぶんひさしぶりで、ラダックを取材しはじめたばかりの頃の自分を思い出して、ちょっと愉快な気分にもなりました。

トレッキング2日目の朝、ヤオ族の人々が暮らす村、ナムマイを訪れた時のこと。一軒の家の前に、小柄でやせたおばあさんが座っていて、僕の道案内をしてくれていた現地人ガイドの男性に「おみやげを買っていかないかい?」と声をかけてきました。ちょうど僕もトレッキング中にどこかで安いおみやげを買いたいと思っていたので、おばあさんとその娘さんたちが見せてくれた、少数民族の作る布の端切れを使った小さなポーチを一つ買うことにしました。2万キープ、300円くらい。

で、その時、ガイドさんを通じて「ついでに、おばあさんの写真を一枚撮らせてもらいたいんだけど、いいですか?」と聞いてみてもらったところ、おばあさんは急に「えっ……あたしの? 写真を? ここで?」と、まるで十代の女の子のようにそわそわしはじめて(笑)、「ちょ、ちょっと待ってて。着替えてくるから!」と、家の中に駆け込んでいって。で、しばらく待っていると、深い藍色の上着に、真紅のマフラー、伝統的な柄の腰巻と、ヤオ族の民族衣装を全身にまとったおばあさんが現れたのです。変わったのは衣装だけではありません。ほんのり上気した穏やかな表情も、瞳の輝きも、全身から匂い立つような自信も、最初に会った時とはまるで別人のようでした。この土地で長い歳月を生き抜いてきた、一人のヤオ族の女性の誇らしげな姿が、僕の目の前にありました。「コーブチャイ」と口の中で言いながら、僕は慎重にカメラを構え、焦点を合わせて、何度かシャッターを切りました。

写真というものは、テーマの選び方も、撮り方も、人によって千差万別です。それらの写真を好きかそうでもないかと判断する基準も、見る人一人ひとりの感覚や好みによって千差万別です。「こうして撮れば必ずいい写真になる」とか「こういう写真は絶対にいい写真」というものは、たぶんほとんど存在しないのではないかと思います。

ただ、僕自身の場合、いろんな場所で写真を撮っている中で、「ああ、これだ」と、すとんと腑に落ちるような写真を撮らせてもらえることが、時々あります。それは、構図や光や被写体がどうこうというのではなく(それももちろん大事ですが)、その場の状況とか、撮り手である自分の気持ちとか、相手がいればその人の気持ちとか、そういうものがすべて自然にシンクロして、すとんと腑に落ちる形で撮れる写真のことです(うまく言えないなあ……伝わりますかね?)。文章を書く時の感じ方、捉え方も、僕の中では写真を撮る時ととてもよく似ています。

たとえそういう腑に落ちる写真あるいは文章でも、すべての人に受け入れられるとは思っていません。でも僕は、写真や文章を通じて何かを伝えることを生業にする人間として、相手にも自分にもその場の状況にも、できるだけしっくりと腑に落ちる形で撮らせてもらう努力をしたいし、文章も同じような気持ちで書いていきたい。それが撮り手として、そして書き手としての、最低限の誠意なのではないかな、と思っています。

これからも、すとんと腑に落ちる写真と文章を少しでも多く世に送り出せるように、こつこつ、ちまちまと、がんばっていければと思います。

ラダックの「質問箱」を設置しました!

Twitter経由で誰でも匿名で質問ができるサービスとして最近注目されている「Peing 質問箱」。僕も流行に乗ってみることにして(笑)、Days in Ladakhの質問箱を設置しました。ラダックやザンスカール、スピティなど、僕が知っている範囲のことでしたらお答えしますので、何でもお気軽にどうぞ。