2024年夏のラダック・ザンスカール・ルプシュツアー、参加者募集中!

てんやわんやの日々

ダライ・ラマ法王が毎年恒例の静養にやってこられたので、いささか浮かれ気味のラダックの人々ですが、僕はといえば、ここ数日、てんやわんやの日々を送っておりました。

月曜の朝、僕はレーからダーに向かう長距離バスに乗ったのですが、満員の車内に遠慮して、バックパックをバスの屋根の上に積んでいたところ、何者かに中身を物色されてしまいました。あんなデコボコ道を突っ走るバスの屋根で、走行中にそんな命がけの所業を働く輩がいるとは‥‥。僕もラダックののどかな環境に慣れてしまっていたせいか、いささか油断していました。不覚。

盗まれたものは、寝袋やレインポンチョ、常備薬のポーチ、そして迂闊にもバックパックに入れたままにしていた帰りの飛行機のチケットと日本円少々など。翌日、急遽レーにとんぼ返りして、ヘトヘトの状態で警察に直行し、すったもんだの末、今日の朝、なんとか盗難証明書を発行してもらうことができました。

航空券や海外旅行保険の手配でいつもお世話になっている西遊旅行さんにメールで連絡したところ、この警察の証明書があれば、帰国後に携行品保険を請求して、盗まれた物品の代金を取り戻せるとのこと。また、帰りの飛行機のチケットも多少のチャージ追加で再手配できるそうで、一安心しました。

さらに、約10日後にラダックを訪ねてきてくれる予定の友人ご一行様が、こちらで今手元にないと困る救援物資を持ってきてくださることに。本当に助かります。

それにしても、今回の一件で、あらためて気づいたことがあります。

去年ダーを訪ねた時にすっかり仲良くなったスキャババ・ゲストハウスのルンドゥプ君は、僕の話を聞くと血相を変えて心配して、バスの車掌や運転手にあれこれ話を聞いてくれ、「君の事件のことを考えると、心配で全然眠れなかったよ‥‥」と、宿代さえなかなか受け取ろうとしませんでした。レーのゲストハウスに戻ってくると、デチェンさんが「昨日電話があってから、あんたのことが気になって気になって‥‥大丈夫かい?」とおろおろしながら出迎えてくれましたし、帰省中の長男のワンチュク君は、自らバスターミナルまで情報を集めに行ってくれたり、警察まで付き添って証明書を申請するのを手伝ったりしてくれました。行きつけのカフェの店員さんや、サイバーカフェの従業員さんたち‥‥誰も彼もが心配して、励ましてくれたのです。

自分のことをこんなにも親身になって気にかけてくれる人たちが、ラダックにいてくれる。そのことが心の底から有難かったし、このラダックという場所が、今の僕にとっての居場所になっているのだということを、しみじみと感じました。たぶん、平穏無事な日々を送っていただけでは、気づかずに過ぎていたことかもしれません。

みんな、本当にありがとう。

4件のコメント

びっくりしました、大変でしたね。
でも保険やら友人の助けでなんとかなったとのこと、安心しました(不謹慎ですが、デチェンがオロオロする姿、目に浮かびます)。
ラダックで泥棒にあったという話は、地元の人からは何回か聞いたことがありますが、そういえば旅行者からは聞いたことがありません。でも、バスは誰が乗ってるかわからないですし、荷台は目が届かないですものね、用心に越したことはないですね。
そうそう、ラモ(シャーマン)は、よく泥棒とかなくしものの相談を受けています、レー近くのハウジングコロニーのパドマ・ラモは、よく当たると評判でした。もしかしたら見つかるかもしれませんよ。参考まで。

はじめまして。いつも楽しく拝見しております。
yama-takaさんにはお気の毒な事件でしたが、寅さんをめぐって家族や御近所さんが右往左往するとらやの居間が目に浮かぶようないい話ではありませんか。じーんときました。「てんやわんや」もたまにはいいですね、その語感も(笑)。
自分の居場所を気づかせてくれる瞬間が私にもたまにありますが、いつもとても幸せな気持ちになります。人っていいなあと思います。

人は、本来持っている隣人への気遣いを忘れてしまっているのかな…と思いました。特に日本(しかも東京)にいると。
災難でしたが、yama_takaさん自身がお元気で、ラダックの人たちの優しさを知ることができて、ちょっと良い気分です。ではこの先もお気をつけて。ジュレー。

>きよしさん
ありがとうございます。油断してました。でも、車内にバックパックは持ち込みにくいんですよね‥‥。教えていただいたラモ、暇ができたら相談してみたいと思います。
>chiruyamaさん
ほんと、ありがたいですよね。自分の力でこのラダックという場所にいるのではなく、いろんな人のおかげでいさせてもらっているのだと感じました。
>マサミチさん
ありがとうございます。すっかり慣れてしまって当たり前のように感じていたことが、とても大事だということに改めて気付きました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です