ティクセ・ゴンパで砂曼荼羅が制作されているという噂を聞いたので、見学に行きました。ドゥカンの奥で、仄明るいランプの光に照らされながら、4人の僧侶が黙々と曼荼羅を描いています。
この砂曼荼羅はデムチョク(大楽)のもの。丸3日がかりで完成させた後、儀式を行ってから破壊し、砂はインダス川に流すそうです。
砂曼荼羅を描くのに使われるのは、細い円錐形の金属の筒。中に色を付けた砂を入れ、筒の中ほどのギザギザの部分をもう一本の金属の筒でこすると、振動で少しずつ砂が出てくるというわけです。気の長い作業ですね‥‥。
完成間近の砂曼荼羅。個人的には、完成した砂曼荼羅の完全に閉じた美しさより、僧侶が一心不乱に描いている制作途中の砂曼荼羅の方に惹かれます。人間が一生懸命に何かを成し遂げようとしている、いじらしさを感じるというか。
時期はよくわかりませんが、ほかのゴンパでも砂曼荼羅が制作されるところはあるので、見られた人はラッキーかも。
こんにちは
いつも楽しみに見ています。
お坊さんたちギジギジと金属音を立てながら砂曼荼羅を作っていく作業が伝わってきました。砂曼荼羅は、作ろうと決め、マンダラが出来上がり、マンダラを壊して川に流すことで完成する、どこにも留まるところがなく、何も残るものがないというのがいいですね。
以前に日本で砂曼荼羅の製作を見ていたとき、チベット人のお坊さんたちが真剣である一方で楽しそうに見え、本気で真剣なときは楽しいのだろうなと感心しました。
別のページで、観光客の態度が悪いと書いておられましたが、日本に住んでいると観光地に行けば地元の人がエンターテインメントを準備してくれるのに慣れてしまい、お寺や神社にまでそれを求めているように感じるときがあります。本当は見る側も見せる側も一緒に修行しているはずなんですが、実際に自分がお祭りを見に行くと結局は押し合いをして席取りをしてしまいます。
静かなところで砂曼荼羅を作っているお坊さんたちがいるというのは、とても心安らぐ話題でした。
>みよしさん
コメントありがとうございます。僕も砂曼荼羅の無常なところが大好きです。日本で何度か目にしていたものの、やはり本場で見る砂曼荼羅の制作風景には格別なものがありました。
外国人観光客の態度についてですが、彼らには仏教の神聖な儀式に対するリスペクトが欠けているのだと思います。単に異国の風変わりな祭りという気分で見ているのだと。異教徒の文化にもきちんと敬意を払ってほしいですよね。それは自分たちも常に自覚していなければならないことなんですが。