僕が初めてラダックを訪れた2000年の夏、レーの街では、夕方の7時頃から夜の11時頃までのほんの数時間しか電気が供給されていませんでした。その上停電もしょっちゅうで、「電気なんて来なくて当たり前」みたいな状態だったのです。
それに比べると、最近のラダックの電気事情はずいぶんましになって、電気はほぼ一日中供給されるようになりました。でも停電が多いのは相変わらずで、日々の生活に懐中電灯とろうそくは欠かせません。そういえば、昨日も明かりが点いたり消えたりしてたなあ(笑)。
ラダックの電力は今、スタクナとへミスの間にある水力発電所から供給されています。ただ、その出力は未だに不安定なため(うちのゲストハウス一家の長男ワンチュク君曰く「ありゃ技術的に失敗作だ」)、その不足を補うべく、アルチの近くに大規模なダムを新たに建設する計画が進められているようです。
でも、僕は思うのです。どうしてダムなんだ? と。
年間を通じてほとんど雨が降らないラダックは、世界中を探してもほかにちょっと見当たらないほど、太陽光線に恵まれている土地です。ソーラーパネルによる発電&蓄電の仕組みをもっと積極的に取り入れれば、ダムで環境を破壊することなく、クリーンなエネルギー源を手に入れることができるのです。
LEDeGなどのNGOでは、山間部の村にソーラーパネルと蓄電施設を設置したり、小さな川でも利用可能な小型の水力発電機などの提供を働きかけています。そういった努力をしている人々がいる一方で、なぜ巨額の費用がかかる大規模なダムを建設しようとする人々がいるのか‥‥。環境問題に対する関係者の理解が浅いのか、それとも何かしらの利権が絡んでいるのか。
せっかくの天からの恵みなのだから、太陽光線をもっと有意義に活用してもらいたいと思うのですが。
本当に同感です。本来チベット人達は太陽光の使い方を知っているのに。
チベットにはアルミ板で光を集めてお湯を沸かす器具があったりするのに。自分達の豊な文化に誇りを持って維持していって欲しいですね。では、来週お会いしましょう^^
>Kaoriさん
ラダックでも、お椀型の反射板で太陽光を反射させて、湯を沸かしたり調理をすることができるソーラークッカーを普及させようとLEDeGなどががんばっています。しかし政府はわかっていない‥‥。
来週、お待ちしています!