ラマユル ユル・カブギェ

6月12日と13日、下ラダック(シャム)のラマユル・ゴンパで、ユル・カブギェという祭りを見ました。この2日間はチャム(仮面舞踊)が行われるので、周辺から大勢の人々が祭りを見にやってきます。

写真は早朝のラマユル・ゴンパとラマユル村。いよいよこれから祭りが始まります。

今回登場した数ある仮面の中でも、常に先陣を切ってひときわ目立っていたのが、この大きな仮面。友人のタシ君によると、チェンチュウ・ユルガという、チベットに由来のあるラマユル独特の仮面だそうです。

チャムは基本的に、一人または数人がゴンパの広場に現れて、ひとしきり一緒に舞った後、一人あるいは数人ずつ順番に舞いながら退場していって、一区切りつくという進め方になります。退場前のソロパートが、踊り手の僧侶のウデの見せどころ。

踊り方の基本は、ターンと片足ジャンプ。みんな華麗にクルクル回ります。仮面の種類によっては、こんなコミカルな振り付けもあったりして面白いです。

踊り手はさまざまな形の法具や武器を手にして踊ります。何気に剣や斧をブンブン振り回しているので、隣の踊り手に当たって怪我したりしないかとヒヤヒヤしますが‥‥。みんな僧服の上に細かくきらびやかな刺繍が施された衣装をまとっていて、日が当たるとキラキラ輝き、とても綺麗でした。

時々、トゥンと呼ばれる長いホルンなどを携えた楽団が入場して、高らかに吹き鳴らします。トゥンはあまりにも長すぎて、一人では持てません。

30人近い数の仮面をつけた僧侶たちが、一斉に踊る時もありました。ここまで数が多いと、どれが何の仮面なのか、もはやついていけません‥‥。まさに圧巻。

2日目の朝、仮面をつけていない僧侶たちが、儀式のための結界を張りました。広場の中央に、トルマ(バター彫刻)とダオ(ツァンパで作った人形)が運び込まれます。

ひとしきり仮面の僧侶たちによる舞いが行われたあと、いよいよ祭りのクライマックス、ダオの破壊です。悪鬼が取り付いたダオをバラバラにして、宙に撒きます。この儀式の時は、外国人観光客よりも地元の人々が大勢集まってきて、じっと周囲で見守っていました。

おまけ。祭りに連れてこられていた、花の民ドクパの子供。観客席で大人気。このかわいさは反則です。

ラダックでチャムを見たのは初めてだったのですが、じっと見ているといろいろ気づかされることがあって、とても面白かったです。次に見に行く予定のへミス・ツェチュがますます楽しみになってきました。

6件のコメント

お久しぶりです。
いつも見ています。今回の写真はすばらしすぎる。その場の空気が伝わってくる感じがしました。

おかえりなさい。
梅雨入り宣言の翌日から夏日の東京は、そちらの青空に負けないほどです。
祭りの衣装、すごく色鮮やかですね。
しかし、なんでまた一人では持てない楽器を作ったのでしょう?(笑)
おまけの子、マジカワイイ、ノックアウトですね。

>みよしさん
どうもありがとうございます。これらの写真たちの陰には、何百枚も撮りそこなった写真たちが‥‥(笑)。
>kaiさん
こちらはここ2、3日、またイマイチすっきりしない天気になってきました。トゥンは持ち運び時には伸縮します。ものすごく低い音が出るんですよ。おまけの子は、僕が撮ろうとしたら「キャイ!」と叫んで僕のカメラのレンズをはたきました(笑)。

わおぅ!かっこいい写真ばかりですね、さすがyama_takaさん!
ぼくはヘミスのしか観たことないですがそれとはだいぶ違いそうです、
ゴンパそれぞれの物語が反映されてるんでしょうねきっと。一説によれば、それほど遠くない昔、ラマユル・ゴンパはボン教寺院だったそうですし。
あと、クライマックスのダオの破壊、やはり地元の人の注目度が高いんですね。アビ・メメによるダオの破壊もそうですが、村人たちはあれを見て、人ごとじゃない明日はわが身かと心配になり、体はむず痒くなるのでしょう(笑)。

毎回楽しく見させていただいてます。
最近、ヘレナさん来日の実行委員会に参加させて頂いてるので、スカルマさんなど最近お知り合いになれた人の名前もチラホラコメント欄に見つけることができます。
ふと思ったのですが、ラダックのお祭りの仮面と獅子舞って似てますね。両方とも仏教の忿怒尊とかからきてるんでしょうかね。
最後の子どもの写真はずるいです(笑)

>きよしさん
へミスのツェチュとはだいぶ違うと思います。ダオの破壊のくだりで面白かったのは、弓矢や剣を打ち込まれたダオを道化が見にやってきて、医者を連れてくるんですが治せないとみるや追っかけまわすという演出(笑)。チャムでは笑いも重要な要素なのかなーと思いました。
そういえば今、ゲストハウスでは夏期休暇で一家勢ぞろいです。旦那さんが「キヨシは元気か?」と言ってましたよ。
>佐々木瞬さん
チャムで登場する仮面は、主に忿怒尊や護法尊のものです。バリエーションが多すぎて、僕にはどれが何やらわからないのですが‥‥。

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