ロサル・タシデレ(あけましておめでとうございます)。12月10日、ラダックではロサル(正月)を迎えました。僕はロサルの2日前から、今年の春と夏に畑仕事を手伝ったシャクティのツェリン・ナムギャルさんの家を訪ねました。
ロサルの2日前の夜、ラダックの人々は必ずグゥ・トゥク(9日目のトゥクパ)と呼ばれるトゥクパを食べます。この日、滞在先の家で出されたトゥクパには、写真のような団子状のものが入っていました。「タカ、これは食べちゃだめよ、開けるだけ」。中を見ると、お香のようなものが。「それは身の回りをきれいにしなさいって意味よ」とのこと。
どうやら、これはフォーチュンクッキーみたいなもので、炭→「心をきれいに」、塩→「しょっぱい人」というように、中身によっていろんな意味があるのだそうです。
それぞれのシークレット団子の中身を開けながら大騒ぎ中の一家。どこの家庭でもやっているわけではないようですが、面白い風習ですね。
翌朝のロサル前日、ツェリン・ナムギャルさんがツァンパをこねて、ダンギャスというお供え物を作りはじめました。お孫さん2人、興味津々で見入ってます。
これは、シキンと呼ばれるアイベックスをかたどった人形。ダンギャスとともに仏間に供えられます。
ヤク肉のモモを作っている女性陣。野菜が不足する冬のシャクティでは、ロサルの時にチャンタン高原で育ったヤクの肉をよく食べるそうです。ヤク肉はけっしてやわらかくはないですが、噛むほどにじゅわっとうまみがにじみ出てくる感じで、とてもうまかったです。でも、さすがに毎食々々ヤク肉だと、ちょっと‥‥(笑)。
日が暮れる頃になると、先日のガルダン・ナムチョの時と同じように、屋根や軒先でチュンメ(バター灯明)に火が点されはじめました。
谷間に広がる村のあちこちで、次々と篝火や灯明の明かりが点りはじめました。その美しい光景に、寒さを忘れて思わず見入ってしまいました。普段は真っ暗な村の夜を知っているだけに、なおさら感慨深かったです。
暗闇の中から、メトと呼ばれる松明を掲げた一団が現れました。ある者は長い棒の先に、またある者はロープの先に火をつけて、それらを振り回しながら行進していきます。すごい迫力。
広々とした畑の中で、人々は松明を思う存分振り回したあと、火を一ヵ所に集め、長い長いかけ声を繰り返します。今年の悪い出来事が遠くに流れ去って、来年の良い出来事がやってくるように、という祈りだそうです。
遅い夕食の前、居間の古いストーブの前に食事やツァンパが供えられました。そのストーブの前で、ゴンチェに着替えたツェリン・ナムギャルさんが、すべての家族や家畜のために祈りを捧げました。
ロサル当日の朝、シャクティでは雪が降りました。ラダックでは、こういう節目の日に雪が降ることはいいことなのだそうです。キーンと冷たく張りつめた空気の中、ほんのりと雪化粧をした村の景色を眺めながら、今年(?)もこのラダックの地でいい出会いがありますように、と祈りました。
なんとも言えず、暖かく、心洗われる光景ですね…
日本にいると、なかなかこんなシン、とした
気持ちになるのが難しいなあ、と思います。
わぁ!本物のロサールタイムリー情報とっても嬉しいです♪
いいですね〜。私も来年が楽しみです!
昨日のロサール@東京も、ロサールじゃなかったけど楽しかったです!
みんなで五体投地から始まって(かなり怪しい集団)、
モモ作って、ケタレには蕎麦打ってもらって、
ケーキがあってと、クリスマスと年越しと正月一気にやっちゃいました(笑)。
私の今年のロサルのトゥクパに入っていた物は「綿」。意味は、心が清らかとか優しいとかそんな意味だったような、、、。他には唐辛子=口うるさいとかもあったような、、、。チベット暦ではまだの来年のロサル。私も楽しみです。
>linさん
こたつでみかん食べながら紅白を見るという日本の年越しも、まあ悪くはないと思うんですけどね(笑)。いい体験をさせてもらいました。
>アラリさん
そのロサル@東京は相当アヤシイですね‥‥(笑)。ケイタレのそば食べたかったなあ。
>Kaoriさん
今年は日本で旦那さんと二人でロサルを迎えられるわけですね。よかったよかった。お二人に来年もいいことがありますように。