逆巻く荒波を乗り越えて

5月13日(水)に開始して以来、会期を延長して1カ月以上開催させていただいてきた、ジュンク堂書店池袋本店での『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』刊行記念写真展が、無事に終了しました。コロナ禍で不穏な世情であったにもかかわらず、会期中には本当に大勢の方々に足を運んでいただき、ありがとうございました。おかげさまで、会場で用意していた『冬の旅』と『夏の旅』のセットは、納品分の7割ほどが旅立って行ったそうです。ジュンク堂書店池袋本店にはまだ少し在庫が残っているとのことなので、未入手の方はぜひ。

『冬の旅』と『夏の旅』のセットは、ほかにも全国各地の一部の書店でお取り扱いいただいていて、こちらのページにその一覧を掲載しています。なお、書店によってはすでに『夏の旅』の在庫がなくなっている可能性もありますので、その際はご容赦ください。

お近くに『冬の旅』と『夏の旅』のセットの取扱店がないという方は、ポルべニールブックストア書泉グランデでオンライン販売を実施していますので、ぜひそちらをご利用ください。ちなみにポルべニールブックストアでは、同店のWebショップで3月から5月までの売上で1位となったそうです。朝日新聞のサイト「好書好日」に掲載されている同店へのインタビュー記事でもご紹介いただいています。

また、ここ最近、『冬の旅』についての書評記事が、各媒体に続々と掲載されています。『山と溪谷』7月号では、知人の写真家、栗田哲男さんが書評を書いてくださいました。他に『岳人』7月号やVISAカード会員誌『VISA』7月号にも紹介記事が掲載されています。

共同通信社からは6月中旬に、全国の地方紙に『冬の旅』の書評を写真付きで配信していただきました。

こうした一連の書評記事が影響してか、発売から2カ月経った今も、『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』は、オンラインを中心に好調なペースで売れているようです。本当にありがとうございます。

思い返せば、約2カ月前に『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』が発売された時は、非常事態宣言の影響で多くの大手書店が休業中という、前代未聞の状況下での船出でした。売りたい本はできあがっているのに、書店が営業していない。大手オンラインショップでも、生活物資を優先して、本の発送は後回しにされている。僕だけでなく、出版社も、世の中の誰も経験したことのない事態です。正直言って、当時は、途方に暮れるという言葉では追いつかないほどのもどかしさを感じていました。

でも、そんな中でも、オンラインを中心に本を販売してくださった書店さんや、営業を再開すると同時にたくさん仕入れてくださった書店さん、そして、近場への外出もままならない中で、本を購入してくださった大勢の読者の方々がいらっしゃいました。メールや手紙で寄せられたたくさんの読後の感想、胸に沁みました。上でご紹介した書評の数々もそうですが、大勢の方々のさまざまな形での支えによって、この本をお届けすることができています。本当に、感謝してもしきれません。

逆巻く荒波を乗り越えて、『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』は、どうにか無事に船出して、大海原に漕ぎ出すことができました。これからも、一冊々々、辛抱強く、この本を読者の方々に届けていけたらと思っています。よろしくお願いします。

2件のコメント

先日、ジュンク堂のパネル展を見て、本を手に取りました。
寒々しい風景と素朴な人々の写真と、なぜか、ケロシンという単語にやられて、即、購入いたしました。

現在、1月22日あたりを読んでいます。
文章も読みやすく、情景が目に浮かびます。

個人的には装備品についても興味がありますので、道具の一覧もあれば…と感じました。
実はマナスルストーブ(国産のケロシンストーブ)を愛用しています。
それで、ケロシンという単語に反応しました。
やはり、辺境の地では、ケロシン一択でしょうか?

パネル展では写真に説明が付いていましたが、本には(説明が)ありませんでしたので、あったら、さらに良かったかもしれません。

一度、ラダックに訪れてみたいと感じました。

なお、今日現在(2020年6月24日)、ジュンク堂のパネルは、すでに撤去されていました。
もう一度、大きな写真で眺めてみたかったんですが、それが少し残念です。

コメント有難うございます。冬のラダックやザンスカールはかなり低温になるので、ケロシンストーブが一番具合が良いようです。焚き火をする際の着火剤にもなりますので。パネル展もご覧いただき、ありがとうございました。

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