トークイベント「旅の奥——土地の生に触れる術」出演のお知らせ

三鷹南口にある書店のUNITÉ(ユニテ) さんからのお誘いで、トークイベントに登壇させていただくことになりました。トークのお相手は、先日『アジア発酵紀行』という本を出版された、発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。僕自身は、小倉さんとは今回が初対面なのですが、どんなトークになるのか、個人的にも楽しみにしています。

以下、UNITÉさんからのイベントのご案内文です。詳細とお申し込みはこちらのページから。

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「旅の奥──土地の生に触れる術」
(登壇者:小倉ヒラク、山本高樹)

観光地に行くとその土地でしか体験できないことをしたいと思います。しかし観光地特有の取り繕った雰囲気に物足りなさを覚えた方も少なくないでしょう。どうすればもう一段深く旅をすることができるだろうか。

「できればボロくてもチグハグでもいいので『生の土地の顔』を見てみたい。その時、キーになるのが観光以外のテーマを持つことだ。その最良の例が『発酵』だったりするのだ」

小倉ヒラクさんの『アジア発酵紀行』(文藝春秋)は「テーマを持つこと」で旅が一層魅力的になることを教えてくれます。そして、小倉さんの場合は「発酵」という視点が、その土地の固有性と出会うことを可能にしています。そうして書かれた紀行文からは「生の土地」が感じられ、これこそが紀行文の醍醐味です。

山本高樹さんの『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)も「生の土地の顔」がありありと浮かび上がってきます。山本さんの選んだ土地は、インド北部、ヒマラヤの西外れの高地、ザンスカール。厳寒期の1、2月のみ、凍結した川を歩いて行き来できる幻の道「チャダル」が現れ、そこから先の世界へ進むことができるというまさに最果ての土地です。ザンスカールでの紀行文を読んでいると、まだまだ未知なる世界が、たくさん眠っている、という気持ちを抱き、自分自身もどこかへ旅立ちたくなります。

今回のイベントでは、小倉さんと山本さんのアジアの旅から「どうして旅は面白いのか」あるいは「どうすれば旅はもっと面白くなるのか」を探り、また紀行文の醍醐味に触れる時間になれば嬉しく思います。みなさん是非ご参加ください。

【日時】2024/4/12(金)19:30~21:00 (延長の可能性あり)
*こちらのイベントは、イベント終了後、アーカイブ視聴が可能となります。
*視聴可能期間は 2024/4/12〜2024/5/12 までの1か月間です。

【登壇者プロフィール】
小倉ヒラク(おぐら・ひらく)
1983年、東京都生まれ。発酵デザイナー。早稲田大学第一文学部で文化人類学を学び、在学中にフランスへ留学。東京農業大学で研究生として発酵学を学んだ後、山梨県甲州市に発酵ラボをつくる。「見えない発酵菌の働きを、デザインを通してみえるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちと発酵・微生物をテーマにしたプロジェクトを展開。絵本&アニメ『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014受賞。2020年、発酵食品の専門店「発酵デパートメント」を東京・下北沢にオープン。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』『オッス!食国美味しいにっぽん』など。

山本高樹(やまもと・たかき)
著述家・編集者・写真家。岡山県岡山市出身、東京都武蔵野市在住。いくつかの出版社での勤務の後、2001年からフリーランスでの活動を開始。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダック地方に長期滞在して取材を敢行。以来、ラダックでの取材をライフワークとしながら、世界各地を飛び回る日々を送っている。2015年からは毎夏、ラダックを中心とした地域で現地発着ツアーのガイドも務めている。添乗員資格(総合旅程管理主任者)保有。2021年、『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。

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