翌日の早朝、スキウを出発した僕たちは、マルカ川沿いの道を辿って歩き始めました。この谷には、至るところに古いチョルテンが残されています。長い年月を経て風化しているその姿に、昔の人々の敬虔な祈りを感じました。
マルカ川の浅瀬を、馬に乗った男が駆けていきます。
途中の道沿いには、こんな小さな水流が涼しげな場所を作り出していました。
川の両岸には豊かな緑の木々が茂り、そのすぐ外側には、乾き切った険しい岩山がそびえています。水は生命を育むものなのだなと実感します。
途中、橋をかけられないような浅瀬の場所は、こうしてジャブジャブと靴と靴下を脱いで渡渉します。ここはまだごく浅いですが、この後、ひざ上どころか股下まで水が来るような急流を、カメラバッグを担いだまま渡渉しなければならない箇所もいくつかあって、肝を冷やしました。
マルカ村に到着しました。この谷では一番大きな村で、村の中央には古い砦の跡とゴンパがそびえています。
マルカで出会った女の子。「写真撮ってもいいですか?」と聞くと、ほっかむりを外してにっこり微笑んでくれました。
砦の背後に、日が沈んでいきます。
翌朝、ウムルンという村を通りがかると、長い棒を持った女性が、朝日が射し染める中を畑仕事に出かけるところでした。
この日は、ハンカルから少しルートをそれたところにある、ドルトクリンという小さな村に滞在することになりました。ここはコンチョックさんの出身地で、草花が咲き乱れる、とても美しい村でした。