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サスポルでの日々

ひさしぶりのフォトレポートです。7月に入ってから、僕は下ラダック(シャム)のサスポルという村に行って、畑仕事を手伝う日々を送っていました。サスポルはレーよりも標高が低く、温暖で水も豊富なため、麦のほかに野菜や果物などが豊富に穫れることで知られています。

今回は、知人の妹さんのタシ・アンモさん(写真右)のお宅にお邪魔しました。まず最初に手伝ったのは、マタル(グリーンピース)の収穫。地面にしゃがんで、ひたすらさやをもぎ続けます。一本の茎に15も20もさやがびっしりついていたりして、なかなか大変な作業です。

「タカ、ドンレ!(お食べ!)」とアンモさんが言うので、グリーンピースのさやを開くと、真珠のようにきれいな豆粒が並んでいました。生のまま食べてみると、あ、甘い! まるで果物のような味です。なまじ気候が厳しい土地で育てられているから、こんなに甘くなるのでしょうか?

グリーンピースの次は、ナス(大麦)の収穫です。標高差があるとはいえ、去年シャクティで手伝った大麦の収穫よりも一カ月以上早いのでびっくりです。シャクティでは麦の収穫に鎌を使っていましたが、サスポルのあたりでは、手でつかんでズボッと引っこ抜きます! やってみると、なかなか豪快で気分スッキリ(笑)。でも、7月のラダックの日射しが照りつける中、朝の7時から夜の7時までひたすら麦を引っこ抜き続けるのは、さすがに骨が折れました。

麦の収穫が片付くと、ラダックの名産品、アンズの収穫が始まります。アンズにはチュリと呼ばれる通常の種類のほかに、パティンというより高級な種類もあります。生で食べるものもあれば、種を取って干しアンズにするものもあり、種も殻を取って中身を食べるものもあれば、油を絞るものもあります。とても有益な果物なのです。

アンズの収穫は、丸太に垂木の足場を差し込んだ梯子を木に立てかけ、高いところにまで登って一つひとつもいでいく、昔ながらの方法です。少々痛んでも関係ない干しアンズにするためのものの場合は、木に登って枝をゆっさゆっさ揺すり、地面にボトボト落ちたアンズを拾い集めたりします。

チョグラムサルの学校から夏休み帰省中のアンモさんの娘、ツェリン・ドルマちゃん。大人がとても登れないような高く細い枝のところまで、ひょいひょい登っていきます。「あの子、サルだわ‥‥」とはアンモさんの弁(笑)。

木からもいだばかりの熟したアンズは、「ええっ!」とびっくりするほど甘くて瑞々しい味がします。レーのメインバザールで売ってるアンズでは、この味は味わえません。食べたい方は、7月のサスポルへどうぞ。

木からゆすって落としたり、風などで自然に落ちてしまったアンズは、すぐに拾って種を取り出し、並べて天日に干します。こうして作られた干しアンズは、厳しい冬の間、ラダックの人々の貴重な栄養源になるのです。

ひさしぶりにラダックの村で畑仕事をする日々を過ごしてみましたが、やっぱり村はいいですね。短期間に観光名所をジープで回るだけでは体験することができない、本当のラダックの人々の暮らしぶりに触れることができました。

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