アルチからインダス川を挟んで対岸に、サスポルという大きな村があります。チュリ(アンズ)の産地として知られている村ですが、もう一つ有名なのがニダプク・ゴンパです。
サスポルの北にある岩山には、僧侶の修行場として使われていたと思われる、たくさんの石窟があります。いくつかの石窟にはまだ壁画の痕跡が残っていて、うち一つには、信じられないほど鮮やかな壁画が描かれているのです。
この石窟の由来は定かではないのですが、壁画の様式から15、6世紀くらいに作られたものではないかと推測されています。漆喰で固められた内壁には、下から上までびっちりと隙間なく壁画が描かれていて、ただただ圧倒されます。小さなラカンなのに、僕は一人で一時間くらい堪能させてもらいました。
ナンパ・ナンツァ(毘盧遮那如来)が本尊の曼荼羅。この石窟、壁画の保存状態は非常に良好なのですが、いかんせん岩山自体がもろい砂礫でできているため、天井を見上げると「‥‥崩れるんじゃないの?」と思えるほど微妙な状態。日本で言うなら重要文化財クラスのものですから、もうちょっと内部を補強とかした方がいいのではと思うのですが。
アルチからは目と鼻の先にあるゴンパなので、時間に余裕があるなら立ち寄ってみることをおすすめします。
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