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ラダックの水事情

ラダック語では、雨のことをチャルパ、雪のことをカーと呼びます。

「カーはいいけど、チャルパはよくない」と、うちの宿の長男のワンチュク君が以前僕に話してくれたことがあります。

「冬、山に雪が降れば、それは積もって氷河になり、夏になると少しずつ溶け出して、ちょうどいい案配で畑を潤してくれる。でも、夏に雨がたくさん降ると、それはどこにも留まらないで川に流れ込んで、道路や橋を押し流してしまうんだ。だから、カーは助かるけど、チャルパは困る」

ワンチュク君の言うとおり、去年の夏、ラダックでは例年になく雨が多くて、あちこちの村で水害の被害が出たそうです。土質がサラサラの砂礫ばかりのこの土地では、多少の雨でも大きな影響が出てしまいます。今年はそれほど雨は降らず、降っても月に1、2回、それもほんの数時間といった程度でしたが、ラダックらしいスコーンと突き抜けた青空が見えた日より、中途半端にもわもわと雲が広がっていた日が多かったような気がします。

では、雪はどうかというと、こちらは逆に年々減り続けているそうです。「昔はこのあたりでもたくさん雪が積もったんだけどねえ。最近はさっぱりだよ」とデチェンさん。実際、2年前の冬に僕がラダックを訪れた時も、最初のうちはまったく雪が積もっていなくて、覚悟を決めて来たのに拍子抜けした記憶があります。

降雪量の減少に伴い、ラダックやザンスカールの山岳部にある氷河の面積も、だんだん小さくなってきているそうです。このままだと、10年か20年後、あるいはもっと早くに、ラダックは深刻な水不足に見舞われるのではないかと僕は考えています。水の供給が涸れ果てて、人々が移住を余儀なくされるような村が出てくるかもしれません。そうなってしまう前に、綿密な調査と先を見越した対策が必要になると思うのですが‥‥。

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