いよいよ、ラダックからザンスカールへと向かうトレッキングの始まりです。初日はラマユルからワンラまでの比較的短い道程。途中、プリンクティ・ラ(ラは峠の意)という緩い峠を越えました。先行する馬の一群が、土煙を立てて下っていきます。
ラマユルを出発して3時間足らずで、あっさりワンラに着きました。この村には、ワンラ・カルという城砦の跡とワンラ・ゴンパというラマユル・ゴンパの分院があります。なかなか勇壮な眺めです。
ワンラ・ゴンパのスムチェクは、アルチ・チョスコル・ゴンパのスムチェクと造りが非常によく似ています。本尊のチューチグザル(千手観音)像は迫力の中にもたおやかさが感じられる素晴らしい仏像でした。
ゴンパの近くをぶらついていると、「こっちにおいで〜!」と地元の妙齢の女の子たちに手招きされ、いろんなことを根掘り葉掘り聞かれました。写真を撮ってあげると大盛り上がり。飾り気のない、カワイイ子たちだったなあ。
2日目はワンラからハヌパタという村までの移動。途中までは未舗装の車道なので、歩くのは楽です。やがて行く手に、険しい岩塊が見えてきました。
とんでもない落差の断崖に挟まれた渓谷地帯に突入。断崖の横っ腹をわすかに削って作られた、狭いトレイルをロバたちと共に辿っていきます。落っこちたくはない‥‥。
ワンラから6時間ほどでハヌパタ着。この村には聖木として崇められている大きなシュクパ(ヒマラヤ杉)があり、ラトゥー(祭壇)にはたくさんのカタが供えられていました。
3日目はハヌパタからフォトクサルという村まで。途中、シルシ・ラという峠越えがあります。V字型に広がる雄大な峡谷を歩き続けていると、いくつかのラプツェ(石塚)が積まれている場所がありました。
シルシ・ラの上から見た南側の風景。今回のトレッキングで最大の難関、センゲ・ラが正面奥、はるか彼方に見えます。あんなところまで歩いていくのか‥‥。
フォトクサルは、崖っぷちギリギリに建てられた古い農家の集落があることで有名です。畑として使える平地は最大限利用したいという昔の村人たちの苦労が偲ばれます。
フォトクサルは周辺の村よりやや寒いらしく、僕が到着した時には麦や豆の収穫が始まったばかりでした。谷間に広がる黄金色の麦畑が、夕刻の風にさらさらとそよぎます。
豆の収穫をしていたおじさんと少年。村の人たちはみんな気さくで、よそ者の僕にも気軽に挨拶してくれたり、「こっちに来い」と手招きしてくれたりします。散歩をしていても、とても楽しい村でした。
羨ましいかぎりです、、、あの崖っぷちの村みてみたいと前々から思っていました。本当に厳しいけれど、壮大な風景がとても素敵です。
>Kaoriさん
がけっぷちの村といえば、長岡さんの写真ですよね! 僕もあれを見て、この村に興味を持っていました。本当にいいところでした。