ガイドブックを作るということ

‥‥なんか、挑戦的な感じの写真ですね(笑)。

ここのところ、このブログではイベントのお知らせや制作を手がけたサイトの告知などばかりだったので、ひさしぶりに、ブログっぽいことを書いてみたいと思います(笑)。とはいえ、ここしばらく、本当に隠者のような生活を送っていたので、面白いネタ、何もないんですよね‥‥。

隠者のように引きこもった生活を送っていた理由は、もちろん、ラダックのガイドブックの制作にひたすら没頭していたからです。正式な情報の公開(表紙の画像なども含めて)は、あと2、3週間以内にはこのブログ上でさせていただくつもりですが、ネット上では、もうちらほらと情報が出始めてるようですね‥‥書名とか、発売日とか。まあ、肝心の本そのものは、まだ作ってる真っ最中ですけど(汗)。

今までも、本の執筆や編集に携わるたびに、この仕事の大変さを痛感してきたのですが、今回、初めて旅行用のガイドブックというものに取り組んでみて、このジャンルの本ならではの制作の大変さや難しさを、しみじみと感じています。

言葉でうまく伝わるかどうかわからないですが‥‥変な話、ガイドブックって、「これは素晴らしい本だ! 感動した!」と手放しで激賞されるようなことは、あんまりないジャンルの本ですよね。旅行の時に使える正確な情報が網羅されて載ってるのが当たり前というイメージで、(さまざまな理由で)紹介していない地域があったら「ここの地域が載っていない!」と言われ、(時間の経過や情勢の急変などで)載っている情報が現状と食い違えば「この情報が間違っている!」と言われる。どちらかというと、ほめられるより、叩かれることの方が多いジャンルの本なのかもしれません。

その割に、ガイドブックの制作というのは、普通の本以上に地味で、細かくて、神経を使う作業です。膨大な情報量を削ぎ落としてまとめるのに四苦八苦し、何度も修正を繰り返して地図を1枚ずつ作り、電話番号やメールアドレスを1つずつ拾って確認し、それでもあふれる情報を収めるために頭をかきむしって悩み‥‥。自分自身、これまでガイドブックというものを何気なく使ってきましたけど、その一冊のガイドブックを作るのに、どれだけ多くのライターやカメラマンが取材に奔走し、それを制作スタッフが苦心惨憺して仕上げていたか、あらためて実感しました。

だからといって、内容がいいかげんだったり、わかりにくかったり、間違ってたりすることが許されるとは思いません。経年劣化という宿命を背負いながらも、可能なかぎり正確を期する努力はもちろん必要です。ただ、それだけ努力しても「がんばって作ってるね!」とはそんなに言われないのがガイドブック(苦笑)。仕方ないんですけどね。

それでも、世界各地のガイドブックを作ることに情熱を持ち続けている人たちはいます。旅が好きで、その国の自然や文化や人々が好きで、一人でも多くの人にそのことを知ってもらいたいから。その国を旅する時に、少しでも役立ててもらいたいから。だから、時には叩かれるかもしれないことも百も承知で、きつい作業に取り組んでいるのです。僕みたいにちょこっと足を踏み入れただけの人間が言うのもおこがましいですが‥‥一冊のガイドブックを作るのに、そういう情熱を込めて取り組んでる人たちがいることも、たまには想像してみてほしいな、と思います。

今回のラダックのガイドブックでも、本当にたくさんの制作スタッフが、日々奔走してくださっています。だから、きっと、いい本になるんじゃないかと思います。僕自身の力でどうこうしたからというのではなく、たくさんの人たちが後押ししてくださっているから。僕はただ、先頭で道化みたく旗を振ってるだけです(笑)。

ページをぱらぱらめくるだけで、胸がどきどきするような、ラダックに旅立ちたくていてもたってもいられなくなるような、そんな本にするために、制作スタッフと一緒にがんばっています。あともう少し、待っていてください。

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