上の写真は、今年の夏、スピティのラルンにて。
最近、急に寒くなってきましたね。今年は7月から8月までスピティとラダックに行き、帰国してすぐに「ソトコト」の記事の制作に追われ、その後9月から10月まではタイでの取材と、めまぐるしい夏を過ごしていました。で、ようやく帰国したと思ったら、もう冬の気配‥‥。来月は師走? 何だかついていけません(笑)。
10月4日(金)発売の雑誌「ソトコト」の巻頭カラーグラビアに掲載された写真紀行「ラダックとスピティ 2つのリトル・チベットをつなぐ道」についてのご感想、メールやコメント、ツイートなどでたくさんいただきました。どうもありがとうございます。今までに上梓してきた書籍よりも二回りほど大きな誌面に、のびのびと気持ちよく写真が掲載されていたのがよかった、という感想が多かったですね。僕自身、「これは気持ちいいな〜」と思いました(笑)。ラダックやスピティ、そしてパラン・ラを越えていく旅路の様子が、写真と文章を通じていくばくかでも伝えられたのであれば、僕としてはこれほどうれしいことはありません。
スピティについては、去年の段階でもとあるムック媒体への写真提供の話が持ち上がったのですが、マイナーな地域だからか競争に敗れてしまい(苦笑)、実現できなかった経緯があります。でも、今回「ソトコト」に掲載していただいた写真紀行は、去年のその話とは比較にならないくらい、タイミング的にも、誌面の大きさやページ数などの面でも、今の日本国内の雑誌で実現できる記事としてはベストの形に近いものだったと、大げさでなく言えると思います。英断を下してくださった編集部の方々には、本当に感謝しています。
僕のように写真や文章を生業としている人間が、それらを納得できる形で発表できる場は、最近どんどん少なくなっています。雑誌に記事を掲載してもらえるように交渉するのは本当に大変で、丁寧にメールをしたためて連絡してもシカトされるなんてことは当たり前。本を作るのはさらに困難で、企画の良し悪しを判断してもらう前に、制作費が出せないとか、売れなかった場合のリスクを版元が負えないとか、そんな理由で出版社から門前払いされることもたびたびです。
でも、あきらめるわけにはいかないんですよね。あきらめたら、自分が大切にしていること、人に伝える価値があると信じているものを、そこで手放してしまうわけですから。
これからの自分が取り組もうとしているのは、自分自身が大切にしているものを形にすることと、他の人が大切にしているものを形にできる場を新たに作ること。どちらもけっして簡単ではないのは百も承知ですが、その時にできる一番ベストなやり方で、形にして、伝えていくことに、取り組んでいけたらと思っています。
件の写真紀行が掲載されている「ソトコト」、店頭では次の号に入れ替わっていると思いますが、バックナンバーを常備している大型店や、アマゾンなどのネット書店ではまだ入手可能です。もしご興味をお持ちでしたら、ぜひに。
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