洪水の発生から約二週間が過ぎ、レーの街も、少しずつ落ち着きを取り戻しつつあるように感じます。電話は依然として不便ですし、電気ももっぱら夕方から夜にかけてしか供給されませんが、それでも普通に暮らしていけるというのは、ありがたいことだなと思います。
僕がレーに戻ってきてから、何人かの日本人の方からメールなどで問い合わせをいただいています。「今のレーの街やラダック各地の村はどんな様子なのか?」「9月にラダックへの旅行を考えていたけど、旅行できる状態なのか?」といったものです。
まず、今のラダックが旅行できる状態かどうかというと、ほぼ普通に旅して回ることが可能です。道路はレー〜マナリロードのルムツェ近辺とダー・ハヌーの手前あたりが不通のほかは、だいたい復旧しています。レーのゲストハウスも、レストランも、土産物屋も、閑古鳥が鳴いている状態ながらも営業しています。例年9月1日から二週間ほど行われているJ&K主催のラダック・フェスティバルはキャンセルされることが確実視されていますし、年末のロサルもお祝い事としては行われないと思いますが、各地のゴンパを巡って観光することには、何の問題もありません。
ただ、もしあなたが、疵ひとつない底抜けに幸せな思い出を作るためにラダック旅行をしたいと考えているのなら、今はおすすめできません。今ラダックに来れば、レーのバススタンド周辺やチョグラムサルなど、洪水の被災地が置かれている過酷な現実を、否応なく目にすることになるからです。
でも、今あなたが飛行機のチケットを手にしていて、自分自身が楽しむだけでなく、ラダックが今置かれているありのままの現実も見ておきたいと考えているとしたら、どうぞ、ラダックにいらしていただければと思います。ラダックの人々は、けっしてあなたを「物見遊山なやつだ」などと拒んだりはしないはずです。
15万円から20万円かかるであろう旅行をキャンセルして、浮いたお金を義援金に回したほうが、ラダックの人々のためになる。そう考えている人もいるでしょうし、それも一理あると思います。でも、ニュースや写真ではなく、自分自身の目で被災地を見て、そこで何かを感じ取り、ほかの誰かに伝えることは、義援金の銀行口座にお金を振り込むことと同じかそれ以上に、ラダックの人々のためになることだと思うのです。
ラダックでの旅行を終えて日本に帰国し、家族と一緒にテレビを見ながら夕食を食べている時でも、遠いラダックの空の下では、瓦礫の山の前にしゃがみこんでひざを抱えている女の子がいるということ。そうしたもうひとつの現実を感じ取り、彼らの痛みを胸の中に抱き続けていく。それもまた、とても大切なことではないかと僕は思います。
はじめまして。9月に初めてラダックに行く予定でいるものです。
災害のニュースを聞くたび、訪れるのを控えようかと何度も迷いました。でも今は、チケットを手放すことなく、ありのままの現実を見に行ってみようと考えています。ぼくが行こうが行くまいが現実はそこにある。そうであるなら、この目で見て、感じて、それを伝えることで、何かできることもあるのではないかと。
そんなときyama_takaさんのこの記事を読みました。後押しされ、勇気づけられた気分になりました。物見遊山にならずに訪れてみようと思います。
[mixi]で「やきいもさん」が写真を載せ、大変驚いています。
乾燥地帯で豪雨の有り様を見てビックリ!
私も「レー」からヒマラヤの登山隊のサポート隊記録係りでデジカメを持って1998年8月に行っています。
パキスタンだけ優遇され自衛隊が派遣。
インドの日本大使館からの情報が「レー」に
無いのは、おかしいです。
元 中京山岳会 会員 横地徳政
[mixi]では『あらヨット』
ヤフー「あらヨットのお気ままブログ」
>あづさん
はじめまして。コメントありがとうございます。ラダックにいらっしゃるとのこと、うれしいです。いろいろな意味で実り多い、心に残る旅になることを祈っています。
>あらヨットさん
はじめまして。情報ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。