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冬の日射し

あけましておめでとうございます。‥‥といっても、ラダックではとっくの昔にロサルが終わっているので、何だか変な感じですね(笑)。レーの街もいつもとまったく同じ雰囲気だし。

冬のラダック、とにかく寒いです。晴れていれば昼間は5、6度まで気温が上がりますが、日が沈むと急に冷え込んで、夜はマイナス15度くらいまで下がります。洗濯物を干すと、日が当たってる部分はすぐ乾くんですが、日影の部分はシャーベット状に凍ってしまう有様。中綿入りのズボンを洗った時なんか、完全に乾くまで3日かかったもんな‥‥。

どこの家でも、水道管の破裂を避けるため、水回りは完全に使用停止。トイレは昔ながらの高床式トイレで、風呂はバケツにお湯をもらって、それを手桶で汲みながら身体を洗います。エアコンなんてありませんから、居間や台所に設置した煙突付きのストーブに、薪や乾いた家畜の糞をくべて暖を取ります。夏の間、レーではほぼ一日中供給されていた電気も、冬は川が凍結して水力発電所の水量が減るからか、夕方の5時から夜の11時までしか使えなくなりました。

まあ、そういう寒さや不便なら、慣れてしまえばどうってことはないのですが、キツイのは食生活。この時期は外部との陸路交通網がほぼ遮断されているため、新鮮な野菜が慢性的に不足しています。まともに手に入るのは、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンなどの根菜系くらい。夏の間は、「肉が食べたい。魚が食べたい」とか思ってましたが、今はとにかく、「野菜が食べたい!」。人間、肉や魚がなくても何とかなるけど、野菜がないとほんとにきついですね‥‥。

そんなわけでなかなかに苛酷な冬のラダックですが、それでも、「夏と冬、どっちがいい?」と聞かれたら、僕は迷わず「冬!」と答えます。

理由はいくつかありますが、一つ挙げるとするなら、「日射し」でしょうか。皮膚が焦げるくらいぎらぎらと白熱して照りつけていた夏の日射しと違って、冬のラダックの日射しはとても穏やかで、澄んでいて、柔らかいのです。カメラのファインダーを覗いていると、その違いがよくわかります。そんな冬の日射しの中で、空に伸びるポプラの白い梢や、もこもこと重ね着をしてひなたぼっこをしてるおっさんたちや、糸つむぎをしながらわずかばかりの野菜を売ってる露店のおばちゃんたちを眺めていると、何ともいえない和んだ気分になるのです。

冬のラダックには、冬だからこそ感じ取ることのできるよさがある。いや、冬こそが、ラダックの本来の姿なのかもしれません。

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