Days in Ladakh

「地球の歩き方」事業譲渡に伴う「ラダック ザンスカール スピティ[増補改訂版]」の今後の販売について

2020年11月16日、海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」シリーズを刊行するダイヤモンド・ビッグ社が、学研プラスが2021年1月に設立する新会社に、同社の出版事業を譲渡することが発表されました(プレスリリース)。

僕も、2018年に上梓した『ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]』をはじめ、『地球の歩き方タイ』や『地球の歩き方インド』の取材担当としても同社とお仕事をさせていただいてきたので、報せを聞いた時にはかなりびっくりしました。まあでも、昨今のコロナ禍で、海外に行くのもままならない状況が長期にわたって続いているのを考えると、致し方ない面もあるのかもしれないですね。

今回の事業譲渡に伴い、ダイヤモンド・ビッグ社は、2020年末をもって清算されることになりました。今後の計画の詳細はまだはっきりしませんが、「地球の歩き方」というブランド名を冠したガイドブックシリーズの刊行は、新会社に引き継がれていく予定です。ただ、ダイヤモンド・ビッグ社がこれまでに刊行してきた書籍の一部については、倉庫にある在庫分は年末までにいったん処分され、市場に流通している分がなくなれば、絶版という形になるそうです。

僕の『ラダック ザンスカール スピティ[増補改訂版]』も、倉庫にある使用可能在庫(といっても、ごくわずかな数だそうですが)が書店からの注文に応じて出荷されるのは、2020年12月中旬頃までで、それ以降は書店の店頭に残っている分のみとなります。

僕も将来的には、現地の最新情報を反映したラダックの新しいガイドブックをまた作るつもりではいるのですが、おそらく何年か先の話になってしまうと思います。それまでの間に、ラダックの情報を網羅した一冊を手元に置いておきたいという方は、今のうちにお早めに、『ラダック ザンスカール スピティ[増補改訂版]』をご購入いただけると嬉しいです。店頭に在庫がない場合は、12月中旬頃まででしたら、書店に問い合わせれば取り寄せてもらえると思います。

いやー、しかし、いろいろびっくりしますね(苦笑)。今後、また何がどうなっていくかわからない部分も多いのですが、自分はこれからも、一冊々々、精魂込めて本を作っていくだけだな、と思っています。よろしくお願いします。

ラダックとコロナ禍

世界各国でパンデミックを引き起こし、いまだに収束の兆候を見せない新型コロナウイルス。インドでは、春先に実施された長期間のロックダウンの甲斐なく、累計の感染者数は550万人を突破。累計の死者数も9万人近くに達しています(もしロックダウンをしていなかったら、さらにひどいことになっていたと思いますが)。爆発的な感染拡大が起こっているのは主に大都市と膨大な人口を抱える一部の州のようですが、ラダックもコロナ禍と無縁ではいられない状況です。

ラダック連邦直轄領内で、現時点で陽性と判明して隔離されている人の数は、1000人を突破しました。回復して退院する人もそれなりにいるのですが、レーやカルギルでは日に数十名単位で新たな感染者が見つかっていて、隔離される人の総数がじわじわ増え続けています。累計の死者数も、50名に達しています。ラダックはインドの中でも僻地中の僻地で、各地の医療設備も脆弱なため、依然として心配な事態がずっと続いています。外部の人間が旅行などの目的でラダックを訪れることは、当面はほぼ無理な状況です。

旅行用ガイドブックの著者として、あるいはグループツアーのガイドとしての立場で何か言うなら、「今はまだ大変な状況が続いていますが、いつか状況が好転したら、きっとまたラダックに行けるようになるので、それまで待ちましょう!」みたいなこちら側目線のコメントを発すべきなのかもしれませんが、今の自分の心境としては、正直そんなことは二の次三の次でいいから、とにかくラダックの人々が一人でも多く無事に、この厄介な災厄を切り抜けてくれたら、と祈るような気持でいます。

旅よりも大切なことは、世の中に、たくさんありますから。今はとにかく、お互い、無事でいられますように。

本づくりという旅の始まり

コロナ禍の影響で、かれこれ半年以上もの間、世界中で旅という行為が一時停止に追いやられている状況が続いています。僕もご多分に漏れず、今年の夏はずっと東京の自宅で過ごしています。夏に国外へ行かなかったのは、11年ぶりくらいじゃないかな。

インドでは、日に6万人以上もの新規感染者が見つかるという状況がずっと続いています(春先にあれだけ強烈なロックダウンを実施したのに……)。ラダックでも日に十数名程度の新規感染者が見つかっていて、引き続き予断を許さない状況だそうです。僕たちが以前のようにラダックへ旅行しに行けるようになるのは、早くても来年の夏頃……いや、それもあやしいかも。本当にやっかいな流行り病だなあと思います。

僕自身の仕事も結構影響を受けていて、海外での取材を伴う案件はすべて時期未定の先送りに。国内での仕事も、Zoomを使ったオンライン取材などを時々依頼されるものの、全体的にはかなり目減りしています。取引のある各出版社も、刊行スケジュールが大きく狂うなど先の見えない状況というところが多く、いろいろ大変そうです。まあ、このご時世に、何の影響も受けずに平気な業界を探す方が難しいですが。

ただ、そんな中でもありがたいことに、ラダックについての新しい本を、とある出版社から来年刊行することが決まりました。今のような状況下で書き下ろしの新刊を商業出版できるというのは、本当にツイているというか恵まれているなあ、としみじみ思います。新しい本を作るのに必要な素材は、ほぼすべて手元に揃っているので、今年の後半から来年前半にかけては、執筆と編集に没頭することになりそうです。

四月下旬に『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』を刊行してから、約四カ月。再び、新しい本づくりという旅が始まろうとしています。毎日ひたすら机に向かい続ける日々がまた続くことになりますが、書店で手に取ってくださった方々にずっと大切にしてもらえるような本にすべく、今の自分にできるベストを尽くしたいと思います。がんばります。

「会う」ことの価値

7月3日(金)〜5日(日)の3日間、代々木上原のhako galleryで開催されたイベント「地球の歩き方インド・公開打ち上げ」。会期中は、本当にたくさんの方々にお越しいただいて、でもみなさまのご協力のおかげでさほど「密」な状態になることもなく、なごやかな雰囲気のうちに終えることができました。

僕は主に、会場2階の書籍販売ブースにいたのですが、新刊の『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』をはじめ、本が予想以上にたくさん売れて、忙しくも嬉しい時間を過ごさせていただきました。撤収の時に箱にまとめた売れ残りの自分の本がほんのちょびっとで、手に持って楽々持ち帰れるほどだったので、とても助かりました(笑)。

今回はトークイベントのように一気に大勢のお客さんを集めるイベントではなく、期間を長めに取った飲食と物販中心のゆるいイベントでしたが、お越しいただいた方々の表情を拝見していると、マスク越しでもみなさんとても楽しそうにされているのが伝わってきて、それが個人的にはすごく印象に残りました。そして、自分が手塩にかけて作った本を、お買い上げいただいたお客さんに直接お渡しできるというのは、やっぱり、何物にも代え難い喜びでした。

昨今のコロナ禍の影響で、リアルな場でのイベントがやりにくい状況は今後もしばらく続くと思いますが、いつの日か、リモートではなく直接「会う」ことの価値が、再び見直される時が来ると僕は思っています。その時が来たら、また何か面白い企画を実現できるように、頑張ります。

イベントにお越しいただいたみなさま、ご協力いただいた関係者のみなさま、本当にありがとうございました。

「地球の歩き方インド・公開打ち上げ」開催のお知らせ

ものすごくひさしぶりに、イベントのお知らせです。7月3日(金)〜5日(日)の3日間、代々木上原のhako galleryで、「地球の歩き方インド・公開打ち上げ」が開催されることになりました。

「打ち上げ」ではあるものの(笑)、実はどなたでも参加できる、オープンな集まりです。基本的には飲食と物販のイベントで、飲食はマサラワーラーによるカレーとKAILASによるチャイ、物販はアジアハンターのインド食器、まちかど倶楽部やKAILASによる雑貨、そしてもちろん『地球の歩き方インド』最新版や関係者の著作をはじめとする書籍の販売もあります。

『地球の歩き方インド』には、今回の版から僕も取材・編集スタッフとして関わらせていただいているので、期間中は僕も、会場2階にある書籍販売コーナーにて、自分の著作を販売させていただきます。7月3日(金)は12時から19時までフルタイムで、4日(土)と5日(金)は15時から19時まで会場にいるつもりです。

販売するのは、『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(『夏の旅 ラダック、東の高地へ』付き)、『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(未収録エピソード小冊子付き)、『ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]』の予定です。『冬の旅』と『夏の旅』はもちろんですが、『ラダックの風息[新装版]』の未収録エピソード小冊子は、僕の手元にもほんの数えるほどしか残っていないので、未入手の方はこの機会にぜひ。

時節柄、新型コロナ感染対策を万全にしつつ、ゆるくのんびり楽しんでいただけるイベントにできればと思っています。お近くにお越しの際はぜひ。