ラダックで、値切れる?

インドという国は、広大な国土のあちこちに美しい自然やエキゾチックな文化が存在し、物価も(急騰してはいるものの)欧米に比べると安く、バックパッカーが気ままに旅をするには、とても愉しい場所です。ただ、インドでそういう旅をしていると、往々にして、「騙し」や「ボッタクリ」のワナと戦わなければならなくなります。バスやオートリクシャー、ゲストハウス、食事に買い物‥‥。ワナは至るところに仕掛けられていて、経験豊富な旅人や、現地在住の人でさえもやられることがしばしば。僕自身、これまでにずいぶん授業料を払ってきました(苦笑)。

初めてラダックを旅しようと考えている人によく聞かれるのが、「ラダックは危なくないんですか? ボッタクられたりしないんですか?」という質問です。結論から言うと、インドとラダックは、まったく別の国のようなもの。治安は本土に比べると格段に安定しています。ホテルの開いていた窓から泥棒が入ったとか、バスの屋根に置いていた荷物の一部が置き引きにあったとか(それは僕かw)、そういう明らかな油断が招いた被害はたまに聞きますが、ラダックは総じてとてものどかです。騙されたり、ボッタクられたりといった経験もないですねー。

そもそもラダックでは、何かを買う時に「値切る」必要があまりないのです。ホンキの値段交渉が必要なのは、カシミール人経営のアンティークやパシュミナの店くらいかな? レーのほとんどのレストランにはメニューがありますし、ゲストハウスは組合によって各グレードごとに料金が定められています。バスやタクシーや旅行会社も組合によって料金が定められていて、不当に安くしたり高くしたりできない仕組みになっています。

むしろ、真っ当な料金が提示されているのに「もっと安くして!」と値切ると、タクシー運転手やゲストハウス経営者は、組合への手前、困ったことになります。それで値下げしてくれないからといって「ケチ!」と思うのは、ちょっと違うのではないかと。そもそも、物価自体が日本に比べれば圧倒的に安いわけですし。

まあ、のどかとはいえ、世の中いろんな人がいるので油断するのは禁物ですが、ラダックはインド本土より、はるかにリラックスして旅することができる場所だと思います。値切らず、身構えず、気楽に行きましょう。

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