10月15日(金)から開催していた写真展「ラダック、僕が戻る場所」は、11月28日(日)をもって無事に終了しました。会期中はたくさんの方々にお越しいただきまして、本当にありがとうございました。また、会場に設置していた洪水被害復興支援の募金箱にも、たくさんのご寄付をいただきまして、感謝の気持でいっぱいです。
今回の写真展を開催したのは、大規模な洪水に見舞われたラダックの状況について、一人でも多くの方に関心を持っていただきたいと思ってのことでした。そもそも、まだ日本では、ほとんどの人がラダックのことについて知りません。洪水被害の復興支援を訴えるには、まず、ラダックという土地がどんな魅力を持った場所なのかというところから知らしめていかなければなりません。その点では、今回の写真展やトークイベントを開催した意義はあったのではないかと感じています。
その一方で、自分が撮影した写真を多くの人に見ていただく展示としてはどうだったかということについては、反省すべき点がたくさんありました。
本当は、今年の段階ではまだ写真展を開催しようとは考えていませんでした。少なくともあと二、三回は取材を重ねて、さらなる蓄積をした上で、自分自身で完全に納得できるまで厳選したものを、現在企画を考えている写真集の出版に併せて発表したいと考えていたのです。今年の写真展の開催は、洪水被害復興支援のために急遽予定を変更してのものでした。
今回展示した個々の写真のクオリティが低いとは思っていません。ただ、一年半の取材による蓄積を基に開催した去年の写真展に比べると、たった二カ月の蓄積を基に開催した今年の写真展は、やはり人に訴えかける力が薄かったのではないかと感じました。それはひとえに、限られた時間の中できちんと写真をものにできなかった自分の力のなさに尽きるのですが‥‥。
同時に、去年や今年の写真展のような開催方法にも、限界を感じる部分が出てきました。ご来場いただいた方々からも「もっと大きなサイズの写真を期待していたのに残念」「近づいてじっくり見たかったのに、お客さんが多くて近づけなかった」というご意見をいただいています。今回の会場では、壁面の構造物や壁際の席との関係で、A3サイズ以上のパネルの展示は難しいですし、半分くらい席が埋まっていると写真に近づくことができませんでした。また、カウンター席に展示した写真たちに気づかずにお帰りになった方も多くいらっしゃいました。こういった見せ方も、大きな反省点だと感じています。
現状に満足するのではなく、さらなる向上を目指したい。もっともっとラダックで撮影を重ねて、それまでのすべての蓄積の中から厳選に厳選を重ねた写真を、それらの良さを最大限に活かせるスタイルで展示したい。あと二、三年は先になってしまうかもしれませんが、次に写真展をやるなら、自分でも120パーセント納得できる形での展示を目指したいと思っています。
今後も日々精進していきますので、よろしくお願い致します。
私が同じ理由で写真展をしたとき、やはり同じ理由で疑問を感じました。
さりとて、ラダックを日本の皆さんに知ってもらいたいし、継続的に彼らの支援をしたい、という想いから、ポストカードブックを出版させていただく運びとなりました。写真展と聞くと、敷居が高く感じてしまう方もおられるようでしたので。なお、今回のポストカードブックについては、JULAY LADAKHさんにもご協力をいただけることとなっています。
写真展のような、アーティスティックな方法もありますが、人々の、もっと身近な部分でラダックを感じていただける方法もあるのではないでしょうか。
>Kenさん
コメントありがとうございます。僕にとっては、写真展も本の出版も大切なもので、同時に自分の仕事でもあるので、今後は両方のクオリティをさらに高めていこうと思います。