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ラダックと環境問題

ヒドゥンヒマラヤのサチさんもブログで言及されていますが、2020年から、ストク・カンリへの入山がしばらく禁止されることになりました。期間ははっきりしていませんが、今後数年間は登山が許可されないだろうとのことです。

ストク・カンリは標高6123メートルに達するラダックでも有数の高峰で、その高さの割にアプローチが短くて容易なことから、最近は多くの登山者が押し寄せるようになっていました。それに伴って、登山者が投棄するゴミなどによる環境破壊が深刻化していたこと、ここ数年の間に登山者の死亡事故が相次いでいたことなどが、閉山の理由になったのではないかと思います。

ラダック界隈での登山を愛好されている方には申し訳ないのですが、個人的には、こうしたコントロールがなされるのは、ラダック全体にとってはよい方向なのではないかと考えています。

ラダックを訪れる観光客の増加による環境破壊は、ストク・カンリ以外の場所でも緊急の課題となっていて、実際にいくつかの対策が打たれています。たとえば、パンゴン・ツォでは、湖畔に建てられた食堂やキャンプホテルから排出されるゴミや汚水が湖の汚染の原因になってきていたため、湖から一定距離内での店や宿の営業が禁じられました。トレッカーによるゴミの投棄が問題になっていた冬のチャダル・トレックでは、旅行会社が責任を持ってゴミを持ち帰るというルールが制定され、キャンプサイトではトイレの設置やゴミ回収スタッフの派遣が行われるようになりました。

こうした環境保護目的の施策は(インドあるあるですが)いずれも唐突かつ強権的に始められてしまうので、関係者の方々は大変だろうなあとは思いますが、まったく何もアクションが起こらないよりはずっとましなのかもしれません。

ラダックは、レーを中心としたゴミや生活排水の処理など、依然として大きな課題を抱えています。インド政府は、ハコモノや道路など目に見える部分に投資するだけでなく、環境を守るために必要な、目に見えづらい部分への取り組みも今後進めてくれたらなあ、と思います。

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