上の写真は、ラダックのハンレ・ゴンパで撮影した星空。インド国立天文台の観測所が置かれている場所ならではの、さすがの星空でした。
夏のラダックでの滞在を終えて帰国して、1週間ほど経ちました。今年は写真家の松尾純さんとともに訪れたハンレ方面の取材のほか、合計3つのツアーへのガイドとしての添乗の予定があったのですが、そのうち最後に予定していたトレッキングツアーが催行人数に達しなかったためキャンセルになり、その関係で当初の計画より1週間ほど早く帰国した次第です。それでもまあ、ハンレ〜パンゴン・ツォ方面をぐるりと2周(苦笑)回って、そのあとは10日間近くザンスカールでしたから、かなりきつかったですけど。
今年もツアー中には大小いろいろなトラブルがあり、特にザンスカールツアーに関しては、本当にお客様方にいくらお詫びしてもしきれないくらいの手配上の大きなミスが起きてしまいました。主催者側の事後の補償も含めて十分な対応がなされたとは客観的にもとても言えず、僕としては今も本当に申し訳なく思っています。
そうした事柄と直接関係があるわけではないのですが、この夏に、あらためて決めたことがあります。
2015年から今年まで5年間にわたって、日本の旅行会社GNHトラベル&サービスが主催するラダック現地発ツアーのガイドの仕事を担当してきましたが、来年2020年以降、同社の主催するラダック現地発ツアーには、僕はガイドとしての協力はしないことに決めました。
理由の詳細については書きませんが、少し前に、いくつかの原因で僕とGNHトラベル&サービスとの間での信頼関係が大きく損なわれ、その信頼関係を修復するのは今後も困難であると判断したためです。
同社とはここ最近、同社のコーポレートサイトのリニューアルや書籍「LADAKH LADAKH」の制作と関連イベントの開催などで協業してきて、自分なりに全力を尽くしたつもりでしたが、今となっては正直、徒労感しか残っていません。サイトの件も本の件も、大勢の知人の方々にご協力いただいた案件だったので、その方々に対しても本当に申し訳ない気持でいます。
ただ、ツアーのガイド、特にラダックのような場所でのガイドの仕事は、大げさでなくお客様の健康管理、もっと言うと命をお預かりする仕事です。ツアーを主催する日本の旅行会社に対する不信感を拭えないまま、そうした仕事を自分なりに責任を持って遂行していくことは難しいし、すべきではない、と判断しました。
念のため書いておきたいのは、こうした信頼関係の喪失は、過去5年間のラダックツアーの現地手配を担当してくださった旅行会社、ヒドゥンヒマラヤとは関係ありません。ヒドゥンヒマラヤの上甲紗智さんとツェワン・ヤンペルさんとは10年来の古い友人ですし、お二人が毎年常に最大限の努力をしてツアーの手配に尽力してくださっていたのは、僕だけでなく、ツアーのお客様方全員がご存じのはずです。信頼関係の喪失は、僕とGNHトラベル&サービスとの間だけでの問題です。
ツアーガイドの仕事。5年前に始めた時は、内心「自分には無理なんじゃね?」と戦々恐々でした。僕自身、グループツアーに参加した経験がほとんどないくらい、団体行動が苦手な人間でしたから。でも、毎年サチさんが手配してくれる腕利きのドライバーさんたちやガイドなど、大勢のスタッフと協力しながら毎年のツアーを作り上げていく中で、僕もスタッフやお客様方から、普段写真家や物書きをやっているだけではけっして学べなかったことを、本当にたくさん学ばせていただきました。
毎年々々何十人も動員できるような景気のいいツアーではありませんでしたが、何度もリピートしてくださる方々も大勢いらっしゃいました。常連のお客様の一人に、「ラダックを旅する日本人にとっても、ラダックで暮らしている現地の人々にとっても、彼は最高のガイドだよ」という意味のことを言っていただけたのは、僕にとって最高の褒め言葉でした。5年間続けてきて、僕自身、ラダックでのガイドの仕事が少し好きになれていたのかな、と思います。
ですが、そのガイドの仕事も、今年限りで終わりにします。
インドには、来年以降も取材の仕事で毎年ほぼ間違いなく行かなければならないことになりそうですし、インドとの縁が途切れるわけではないのですが、ラダックに滞在する機会や期間は、これまでよりも短くなるかもしれません。来年以降の僕のガイドツアーを楽しみにしてくださっていた方々がもしいらっしゃいましたら、本当に申し訳ありませんが、ヒドゥンヒマラヤに直接日本語メールで旅行のご相談をしていただければと思います。
手前勝手な理由で、すみません。よろしくお願いします。
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