キナウルとスピティという2つの渓谷地帯を旅してきた僕は、そのまま陸路でラダックを目指すことにしました。インド人旅行者たちのピックアップトラックに乗せてもらって、いざ出発。まずはスピティのカザから、4551メートルのクンザム・ラという峠を越えます。除雪が終わったばかりの峠の周囲には、まだたくさんの雪が残っていました。
こんな標高が高いところにも、道端には可憐な黄色い花が咲いていました。
マナーリからレーに向かう道との合流点、グランプ。昔の廃屋があるだけの、単なる交差点です。ここからマナーリに向かうというピックアップトラックを降りて、マナーリからケーロンに行くローカルバスが来るのを待ちます。が、待てど暮らせど来ないので、通りがかった軍用クレーン車をヒッチして、5キロ先のコクサルという村まで乗せてもらいました。
険しい山の上から、雪どけ水が至るところで滝となって轟々と流れ落ちていきます。その水を受けて育った草が、ほんのりと山の表面を覆っていました。
コクサルからバスに乗って、ラホール渓谷の中心地、ケーロンの町に来ました。ここで、マナーリからレーに向かう乗合ジープの席を予約して、ジープの到着を待ちます。しかし、2日後に来たジープは、朝の7時にケーロンに着くはずが、マナーリからの乗客が寝坊したせいで2時間遅れ。ちゃんとレーまで辿り着けるんでしょうか‥‥?
ザンスカールのパドゥムに向かうトレッキングの基点、ダルチャ。外国人はここでパスポートチェックを受けます。
4950メートルの峠、バララチャ・ラの手前に、ネパール人が経営する茶店がありました。ここでインスタントラーメンを食べて腹ごしらえ。今回のような長距離移動中は、食事の量はなるべく控えて、腹が減ったらチョコレートやビスケットでしのぐのが僕のやり方です。
走れども走れども続く雪と岩山の世界。自分たちの位置を把握するには、道端の道標だけが頼りです。レーまで268キロ‥‥見なきゃよかった。
5065メートルの峠、ラチュルン・ラの頂上近くで、大型トラックがぬかるみにはまって立ち往生。道がふさがっているので30分ほど待ちましたが、当分、というか半永久的に動きそうにないハマり方だったので、運転手と相談して、トラックの右脇の雪が積もっている部分を乗客全員で除雪し、ジープを押して突破。何とか先に進むことができました。
最後のチェックポストがあるテントホテル集落、パン。この後、5317メートルのタグラン・ラという峠越えがあったのですが、峠の頂上に着く頃にはすっかり日も暮れてしまって、写真は撮れませんでした。結局、レーに到着したのは夜の11時半‥‥。まあ、無事に着けただけでよしとしますか。
ラダックという地名は、「峠を越えて」という意味から由来しています。今回、ひさびさに陸路でラダックを目指してみて、その言葉通り、いくつもの険しい峠を越えなければ辿り着けない、厳しい場所なのだということを実感しました。旅の時間に余裕がある方は、ぜひ一度、陸路でラダックを目指してみてください。‥‥まあ、帰りは飛行機でも構わないので(笑)。
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