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夏のつかの間、ラダックへ

2025年の夏も、ラダックに赴くことになりました。日程は比較的(?)短く、8月2日から22日までの20日間ほど。大半は、アショカツアーズと僕が共同で企画しているラダック&ザンスカールツアーに、ガイドとして帯同する日々になります。それらが終わった後、少し個人的な企画の取材を地方でしてきてから、帰国する予定です(年内に出る予定の、今年2冊目の本の仕上げ作業が残っているので……)。

今年の夏のツアーが成立するまでは……いろいろあって、大変でした。4月にカシミールの観光地で発生したテロ事件。その流れで5月に勃発した、インドとパキスタンの武力衝突。さらに6月には、エアインディアの墜落事故。本当にマイナス要因しか見当たらない状況で、何かが起こるたびに現地に確認して状況を見極めねばならず、ツアー参加者を募集するのにも難しい時期が続きました。

それでも、6月になって参加者が増えてきて、どうにかツアーの催行は決まったのですが、7月に入って急に、延べ複数件のキャンセルが発生(旅行会社としては一番ダメージが大きいパターン)。関係者一同、頭を抱えつつも、少しでもダメージを軽減できないかと対策を検討してもらっていたところ、募集締切間際になって、立て続けに新規のお申し込みが。綱渡りではありましたが、何とか当初の予定通りに、ツアーを実施できることになりました。心臓に悪い展開でした……(苦笑)。

そうした一連の出来事を経験してあらためて思ったのは、旅という行為は本当に、その土地で平和と安全が約束されていてこそ、成り立つのだなということ。そして、グループツアーが成り立つのは、日本やインドの旅行会社のスタッフ、現地のガイドやドライバーなど、大勢の人々の助力あってこそなのだなということ。ともすると意識が逸れてしまいがちな、こうした基本的な前提を、あらためて自覚できた気がしています。

あとは、本番のツアーを抜かりなく、安全に、そして、参加者の方々にとって楽しい時間にしていかねば、ですね。個人での取材もありますが、まずは、ガイドとしての自分の責務を、きっちり全うしてこようと思います。

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