最後の1ピース

7月中旬から約1カ月、再びインドに行くことになりました。今回は日本からデリーに到着後、陸路でマナリを経由してスピティに移動。しばらく高地順応をして準備を整えた後、スピティからツォ・モリリまでのトレッキングを試みる予定です。

このルートのトレッキングは、去年の夏、ラダック側から試みようとしたものの、馬と馬番の手配が不調に終わり、スピティ内での取材に集中する形に計画を変更した経緯があります。その後、スピティで知り合った地元の人たちと話していてわかったことなのですが、このルートがあるツォ・モリリ以南のエリアは、主にスピティ側の人たちが仕切っているのだそうです。ラダックの人たちにしてみれば、この界隈は自分たちのシマではないし、そもそも遠すぎて割に合わないので、特に小さなグループでは行くのを嫌がるのだとか。僕みたいなのがひょいっとラダック側から行こうとしても、難しいわけですよね。

逆にスピティ側からツォ・モリリを目指すのであれば、比較的近い（といっても7、8日かかりますが）し、スピティの馬や馬番も手配しやすいということが、去年の段階でわかりました。なので、今年はスピティから歩いてラダックを目指そう、というわけです。すでにスピティの知人に依頼して、準備を進めてもらっています。

2007年頃から本格的にラダックと向き合いはじめて、春夏秋冬、いろんな場所に行き、たくさんの人と出会い、さまざまなものを目にしてきました。ふりかえってみれば、ただただがむしゃらに、当たって砕けろ的な感じで突き進んできたわけですが、今回のスピティからツォ・モリリまでのトレッキングは、そうして自分なりに向き合ってきた今までの積み重ねに、ひと区切りをつけるものなのかな、と思います。少しずつ拾い集め、作り上げてきたパズルの、最後の1ピースのようなものでしょうか。

去年のスピティ、そして今年のトレッキングの成果は、いくつかの形でみなさんにお見せできればと考えています。なかなか苦労することも多いのですが（苦笑）、今の自分にできるベストの形でお届けできるように努力していますので、もうしばらくお待ちください。

その前に、まずはこの夏のトレッキングですね。油断せず、慎重に、そして楽しんでこようと思います。