Days in Ladakh

ラダックでの暮らし

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古くからチベット仏教が信仰されてきたラダックでは、その文化や風習もチベットの影響を色濃く受けている一方で、ラダック独自の風習も根強く残っています。また近年では、インドからの影響もかなり受けているようです。

・農業
ラダックに住む人の大半は、先祖から受け継いた土地で農業を営んでいます。主な作物は高地でも育つ大麦や小麦。家によっては、ビニールでしつらえた小さな温室でカリフラワーやジャガイモ、タマネギなどの野菜も育てられています。特に、ダー・ハヌーなど比較的標高が低い地域で栽培されているアプリコットは、ラダックの名物と言ってもいい果物です。

・牧畜
牧畜もまた、ラダックの人々にとって大切な生活手段です。農地のない山岳地帯で暮らす人々はもちろん、農業を営んでいる家庭でも、牛や羊、ヤギ、ロバなどの家畜が飼われています。ヤク(毛長牛)は荷物の運搬や畑を耕す時などに使われますが、チベット人のようにその肉を食べることはあまりないようです。ちなみに、ラダックで飼われているヤクの大半は、純粋なヤクではなく、ゾと呼ばれるヤクと牛の混血種です。

・服装
ラダックには、ゴンチェという羊毛製の外套をはじめ、特徴的な形の帽子や編み上げ靴、マントなど、たくさんの伝統的な民族衣装があります。特に祭りの時は、女性はトルコ石、銀、サンゴなどで作られた、先祖代々受け継がれたきらびやかな装身具を身につけます。盛装した女性たちが列をなす姿は、まさに壮観の一言。ただ近頃は、日常生活でゴンチェのような民族衣装を身に着けている人は、あまりいません。男性はシャツやズボンといった洋服、女性はインドの女性が着るようなパンジャビードレスという場合が多いです。日本人が着物を着なくなったのと同じような感覚なんでしょうか。

・食事
かつてラダックでは、ツァンパ(麦焦がし)やトゥクパ(チベット風うどん)、モクモク(チベット風餃子)といったチベット風の食事が主流でした。これらは今でもよく食されていますが、最近では、インドから伝わってきたチャパティや米、サブジー(野菜カレー)、ダール(豆)なども一般的になっています。飲み物では、チベットと同じバター茶や、これもインドの影響か、チャイ(ミルクティー)もよく飲まれています。また、各家庭ではチャンと呼ばれるどぶろくが作られていて、祭りの時などには豪快に酌み交わされます。

・仏教
ラダックの各地に点在するゴンパ(僧院)は、仏教を信仰するラダックの人々にとって、なくてはならない心の拠り所です。ゴンパで日々修行に励む僧侶たちは、皆に尊敬される存在です。チベットと同様に、ラダックでは家族の中から一人、僧か尼僧を出すことがしきたりになっています。主なゴンパでは年に一回、チャム(仮面舞踊)を伴う盛大な祭りが催されます。

・結婚
以前はチベットと同じように、一妻多夫制(複数の兄弟で一人の妻を娶る)が主流だったそうですが、インドの法律で禁止されたため、現在は一夫一妻制になっています。恋愛結婚はあまりなく、大半がお見合い結婚だそうです。最近はどうなんでしょうね?

・葬儀
チベット本土では、遺体を鳥に食べさせる鳥葬が行われていますが、ラダックでは火葬が一般的です。火葬場で荼毘に付された遺体の灰は、少量がツァツァと呼ばれる小仏塔に収められ、あとは山や川に撒かれます。