積み残し、なし

ラダックの風息[新装版]」が発売されてから、1カ月半ほど過ぎた。出版記念関連のイベントや展示は、今月も来月もその先も、まだまだいろいろ続くのだが、この本に対する自分の気持は、ある意味とてもすっきりと整理できたように思う。

ああ、これでやっと、積み残しがなくなったな、と。

ラダックで一人、無我夢中の体当たりであちこち旅をしながら過ごしていたあの頃から、今に至るまでの日々。撮り続けてきた写真、書ききれないでいた言葉。それらをようやく、一番納得のいく形で、一冊の本に凝縮させることができた。だからもう、今までの自分が取り組んできたことをふりかえって気にかける必要はない。これからの自分が何をすべきなのか、何を新たに積み上げていくべきなのか、そのことに集中していける。今、はっきりと、そういう気持になった。

ラダックで、あるいは別のどこかで、何かを追い求めて。その姿は少しずつ、うっすらと見え始めている。

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