選んだのは本だった

一昨日ラジオ番組の収録をしてきたばかりだが、来月末にはまた別の番組の収録がある。自分について人に説明するのにしっちゃかめっちゃかになるとまずいので、収録前には、これまでの出来事を書き出して整理してみたりしていた。

いろいろふりかえってみてあらためて思うのは‥‥僕は、編集者とかライターとか写真家とか、そういう職業に就くことを目的にしてきたのではなく、自由に旅をしてそれを仕事につなげたいという生き方をしたかったのでもなく、ただただ、本を作りたかっただけなのだ、ということ。自分が本当に心の底から大切だと思えることを、本という形にして、それを人に伝える。二十代初めの青二才の頃から、ずっとそうだったのだと。

それは生き方とすら呼べない、独りよがりで単純な衝動でしかないのかもしれない。でも、僕が自分の人生を費やすのに選んだのは、本だった。それには、ひとかけらの後悔もない。

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