湯河原原稿執筆合宿、再び


来年の春頃に、新しい本を出すことになったのだが、肝心の原稿の進捗は、あまり捗々しくない。特に五月は、ほかの国内案件がわちゃわちゃと立て込んで、それらにすっかり時間を取られてしまった。

このままではまずいということで、伝家の宝刀(?)、原稿執筆ぼっち合宿を敢行することにした。今回の合宿地は、およそ四年ぶりの湯河原。前回もお世話になった、The Ryokan Tokyo YUGAWARAさんに滞在することにした。この宿には「原稿執筆パック」という宿泊プランがあって、一日三食の食事付き、コーヒーなど飲み放題、温泉にも朝晩入り放題という、僕にはおあつらえ向きの内容なのだ。料金は時期によって変わるが、安いタイミングを選べば、一日あたり一万円程度でも泊まれる。今回は、原稿執筆パック三泊四日のプランで滞在することにした。

部屋は八畳の和室。今の時期の湯河原は、思っていたほど暑くもなく、東京より涼しいくらい。日中は窓を網戸にしていると、涼しい風が入ってきて、遠くからの川のせせらぎと、うぐいすのさえずりが聴こえるだけの、とても静かな環境だった。


同じ宿の同じ宿泊プランでも、四年前に泊まった時と比べると、細かな部分がかなりブラッシュアップされていた。特に食事は、以前は割と普通の定食メニューがえんえんと続く感じだったのだけれど、今回はいろいろ趣向を凝らしたものが多くて、原稿の合間のいい気分転換になった。

朝ごはんは、日によって変わる魚の干物(このあたりの名産品)を中心に、ちっちゃな小鉢がたくさんと日替わりの汁物が用意された。朝からこれが食べられるなら、原稿を書く元気も出る(笑)。


飲み物の類は、宿の中のレストランエリアにドリンクバーが新しくできていて、好きなドリンクをそこでゲットできるようになっていた。ただ、僕の場合、部屋でコーヒーをひたすらがぶがぶ飲みたかったので、宿の人にお願いして、朝ごはんの後にホットコーヒーをポットで用意してもらうことにした。おかげで、部屋とドリンクバーの間を往復する手間が大幅に省けた。


昼ごはんは、二日目の昼がだし茶漬けのセット。三日目は三種類の定食(とんかつ、鶏唐揚、ハンバーグ)から好きなものを選べる設定になっていた。どちらもそこまでボリューミーではなく、昼に食べるにはちょうどよかった。満腹になりすぎると眠くなるので(笑)。


合宿中にいただいた食事の中で、特においしかったのが、この海鮮丼。まぐろは三重県で獲れたもので、それ以外はすべて地元で獲れた魚介だそうで、食べながら「もう、酒も飲んじゃおうかな……」と思った(笑)。実際には、この後も原稿を書かねばならなかったので、我慢したけど。


三日目の晩ごはんは、豚しゃぶや天ぷらなど、ひときわ豪華で、フィナーレ感が漂っていた(笑)。

合宿中、特に二日目と三日目は、まったく同じスケジュールで過ごした。七時起床。温泉で朝風呂。八時に朝ごはん。コーヒーを飲みながら原稿。十二時に昼ごはん。再び原稿。十九時に晩ごはん。その後も原稿。二十二時頃に温泉で夜風呂。部屋で缶ビール。真夜中ちょい前に就寝。食事と温泉以外、持てるリソースは全部、原稿に注ぎ込んだ。疲労困憊した身体と頭を、朝晩に浸かる温泉でリフレッシュ&リブートできるのも、この宿ならではのメリットだった。その甲斐あって、三泊四日のうちに、一気に二万二千字ほど書き進めることに成功。これまでの出遅れを、だいぶ帳消しにできた。

単純計算で、あと四回、同じ日数の合宿をすれば、本を完成させることができる(笑)。さすがにそれはやらないけど。ともあれ、進捗の遅れに焦っている同業者の方々には、とてもおすすめのプランなので、よかったらぜひ。

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