「本気を出す」ということ

出口の見えない出版不況の今、多くのフリーランスのライターやフォトグラファーにとって、厳しい状況が続いている。そんな中でも、新たにライターやフォトグラファーになりたいという人は世間には結構多いらしい。

たとえばライターでは、ウェブライターとかネットライターとかいう肩書きで、1文字0.5円とかそれ以下という異様に安い報酬で文章を量産している人も少なくないのだとか。報酬はお小遣い以下でも、それでライターを名乗れるのなら、ということなのだろうか。まあ、どんな仕事を選ぶのかは人それぞれだけど、正直言って僕には、1文字0.5円でしか扱われない仕事の積み重ねが、ライターとしての明るい未来につながっているとは到底思えない。そうやってただ無闇に量産されて忘れられていくだけの言葉に、はたしてどれほどの存在価値があるのだろう?

それでも、どうにかして真っ当なライターに、あるいはフォトグラファーになりたいという人は、一度、何らかの形で「本気を出す」べきではないかと思う。仕事の場で実現できるのが一番いいけれど、それが叶わないなら、自分のサイト上とかでも構わない。自分で自分に言い訳ができないくらい、本当の本気で、自分にとって一番大切な物事について文章を書いてみる、あるいは写真を撮ってみる。そうして全身全霊をかけて心血を注いで文章や写真に取り組んで、それを人に見てもらえば、自分自身の実力がどれほどのものかよくわかるし、その時点での自分の欠点も見えてくる。何より、なぜ自分は文章を書きたいのか、あるいはなぜ写真を撮りたいのかがわかってくる。

ライターになりたいからとか、フォトグラファーになりたいからとかではなく、何を書きたいか、何を撮りたいのか、どこかで一度本気を出して、周囲と自分自身に問いかけてみるといいんじゃないかなと思う。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *