スペシャリストの矜持

かれこれ十年以上、フリーランスで編集とライティング、最近はたまに写真の仕事をしているけれど、ここ数年、各社から支払調書が届く時期になってあらためて思うのは、「ギャラの相場、下がったなあ‥‥」ということ(苦笑)。

言い訳すると、これは別に僕に限ったことではなくて、世の中のライターやフォトグラファー全般に共通する状況だと思う。業種や人によると思うが、たぶん、三、四割は下がっているのではないだろうか。どんよりと回復の兆しすら見えない出版不況が続いているとはいえ、適正価格というにはあまりにも安すぎる。同業者の友人は、先日、1ページあたりの原稿料にコンビニの時給並みの金額を提示され、さすがに断ったらしい。そりゃそうだ。

パソコンがあれば誰でも原稿は書けるし、カメラがあれば誰でも写真は撮れる。でも、僕たちが書く原稿、僕たちが撮る写真は、誰にでも生み出せるものではない。少なくとも、僕たちがそういうスペシャリストとしての矜持を持ち続けなければ、本や雑誌という存在そのものが、根腐れしてダメになってしまう。

スペシャリストをナメんなよ、ということで、関係各社の方々、よろしく。

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