いろいろあるさ

終日、部屋で仕事。昨日、今日と家にいられたので、先週から累積していた取材原稿もかなり書き進めることができた。この調子でいけば、週末は土日のどちらかはまるっと休めそうだ。

部屋で原稿を書いている間も、外からは何通ものメールが届く。たくらみがうまく進まないという知らせも、なんじゃそりゃとずっこけるような知らせも、全然予想もしていなかったような知らせも。まあ、世の中、いろいろあるさ。キーボードを叩きながら、一人、ため息をつく。

大事なのは、人がどうこうではなく、自分が何をしたいか、何をすべきか、そして、何をやるか。自分にとって大切なものを離さないように、じりじりと、少しずつでも前へ進もう。

餃子の日

今日は、ひさしぶりに家にいられる平日。ゆっくり寝て起きて、コーヒーをいれて脳にカフェインをキメ、大事なメールを書いたり、先週からたまってる取材原稿のノルマに取り組んだりする。

原稿の構成に悩みつつ、夕方、近所の中華料理屋へ。何にしようかとカウンターの前に貼られたメニューをふと見ると、「今日は餃子の日! 餃子セットが割引価格!」というポップが上にくっついている。今日は餃子の日なのか、4月15日で餃子‥‥どういう語呂合わせなんだろう‥‥と首をひねっていると、横っちょの方に、「毎月15日は、餃子の日!」と書かれた別の大きなポップが。何だ、この店オリジナルの餃子の日だったのか。

「餃子の日!」を告知するその大きなポップには、いったい誰の発案なのか、扇子を持ったチャイナドレス姿の二次元美少女キャラが、いささか残念な画力で描かれていた。まあ、味は普通にうまいんだけどね、とフォローしておく。

ストレスとのつきあい方

これも、仕事で書いていた原稿に出てきた話題なのだけれど。

人間という生き物は、生きているかぎり、常に誰かと関わりながら生きていく。原野の中に小屋を建ててたった一人で暮らしていても、自分自身という人間と向き合わなければならない。誰かと関わっていれば、何かしらのストレスは生じる。どんな世界に生きていても、何らかの理由で多かれ少なかれストレスは感じるものだし、それはけっしてゼロになることはないのだという。そしてストレスは、避けようとすればするほど、逆に溜まっていくものでもあるという。

ラダックのようにのどかな場所でも、それは同じだ。確かに日本のように複雑でややこしい仕組みの社会ではないけれど、周り中の誰もが知り合いという狭いコミュニティの中で、変わらない日々を生きていくことにストレスを感じている人は少なからずいると思う。あと、ジャンムーなどラダックの外にある大学に進学したラダック人の若者には、学業に悩んで自殺する人が結構多いのだという。そういう種類のストレスに対する免疫があまりないからかもしれない。

ストレスは、ゼロにするのでも、避けるのでもなく、うまくつきあって、乗り越えていくべきものなのだそうだ。何か原因がありそうなら、それに関わる人たちと話をすれば、意見が一致しないまでも、互いの考え方の違いを知るだけでずいぶん気がラクになったりするという。いきなり大きなハードルを乗り越えようとすると往々にしてしんどいので、まずはほんの小さなハードルでいいから、トライして、乗り越えてみる経験を少しずつ積み重ねていく。そうするとだんだん、自分自身の力でストレスを乗り越えていくことができるようになるのだという。

まあ、世の中、そんなにすんなり乗り越えられることばかりじゃないし、むしろ僕の場合は断崖絶壁ばかりのような気がしないでもないけど(苦笑)、自分なりによじ登る術を身につけねばと思う。

逆風の日

朝から本降りの雨。午後から鷹の台で取材だったのだが、今日はなかなかきつかった。

というのも、取材させていただく方ご本人のアポは取れていたものの、取材をさせてもらうということ自体が伝わっていなかったのだ。時間も、1時間少々いただくつもりだったのが、後に来客があるということで30分に。あと、ちょっと込み入った行き違いで、こちらの事前準備もほぼ役に立たない状態に。こんな逆風の中での取材も珍しい。

それでも助けられたのは、相手の方がとても温厚で、かつ頭脳も言葉も明晰な方だったので、すぐに面白い話題をひねり出して滔々と話してくださったこと。それが、こちらがあらかじめヤマを張って予習しておいた方面にかすってくれたので、どうにかこうにか、原稿を書くのに必要なお話はお聞きすることができた。

でも、今日の場合は、避けようと思えば避けられたトラブルだったんだよな‥‥僕からも「この取材、ヤバイんじゃないですか?」とあらかじめ依頼元に何度も連絡を入れていたし。それでいて、最終的に最前線で地雷処理をやらされたのは、そういう事前調整とは本来関係ない立場であるライターの僕というのは、何だかなあという感じである。

昨日の今日で何だけど、モチベーション、かなり下がった(苦笑)。

モチベーションを上げる方法

今日、仕事で書いていた原稿の中に出てきた話題なのだけれど。

仕事や勉強に対するやる気、モチベーションを上げるには、二つの要因があるのだという。一つは、お金や名誉、社会的地位といった外発的報酬。もう一つは、やりがいや楽しさ、達成感といった内発的報酬。興味深いのは、外発的報酬に必要以上に依存するようになると、かえってモチベーションが下がってしまうという研究結果があるのだ。

つまり、ギャラはいいけど内容はつまらないと感じている仕事とか、世間的にはすごいと思われてるけど自分では納得できない仕事は、「ギャラがいいから」「世間的に注目されてるから」というだけではモチベーションが維持できなくなるのだ。お金がそれなりにもらえるルーティン・ワークは、日々の生活を維持するのに大事ではあるけれど、それだけではいずれモチベーションが底をついてしまう。

そこで、日々のルーティン・ワークを守りながらも、自分にとってチャレンジングな、でも面白くてやりがいのある仕事(ギャラは二の次)をうまく混ぜていくと、全体的なモチベーションを維持しやすいのだという。なるほどな、と思った。言われてみれば、自分も無意識のうちに、ハードルの高い仕事(企画から全部手がける書籍とか)とそれ以外の仕事を組み合わせて、自分の中でバランスを取っていた気がする。

そういえばこの間、クライアントの担当さんから「他のライターさんが、ギャラが安いからか取材や原稿も手抜き気味な感じで‥‥」と愚痴をこぼされたのだが、ギャラが安いからといって手を抜くのは論外。でも、だからってギャラが安すぎてもいいわけがない。実際安すぎるし(苦笑)。

やりがいはものすごく大事だけど、お金もそれなりに大事だよ、というシンプルな結論であった。