がんばりすぎない

午後、銀座でインタビューの仕事。ラダック関係以外ではひさしぶりの取材だったが、どうにか首尾よくやり遂げる。

その後、外苑前に移動し、以前「ラダックの風息」のデザインを担当していただいた井口文秀さんのオフィスを訪問。軽く打ち合わせをさせていただいた後、井口さん行きつけの広尾の寿司店へ。寿司といっても、値段的にはかなりこなれている店なのだが、その割にはとてもおいしかった。

井口さんとは、僕が雑誌編集をしていた頃からの戦友的な間柄。約10カ月ぶりにお会いしたのだが、僕が何の遠慮もなくいろんな話をするのを、ニコニコと笑いながら聞いていただいた。

話が僕の父の話題になった時、井口さんが僕にこう言った。

「ヤマタカさん。お父さんのことがあったからといって、がんばりすぎない方がいいですよ」

井口さんは約七年前にお母様を急な病で亡くされたのだが、その時、そこから立ち直ろうとがんばりすぎて、逆に辛い精神状態に陥った時期があったそうだ。あまりに強く思い詰めてしまうと、それが自分自身を追い詰めてしまう、と。

本当にそうだなあ、と思う。今の僕は、父を失ったことだけでなく、その後ラダックや日本で僕を支えてくれたたくさんの人たちに絶対に報いなければ、と背負い込んでいるふしがある。背負うものが重すぎると、僕自身がそれに押しつぶされてしまうかもしれない。

がんばりすぎないように、がんばろう。

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