時計の乾電池

少し前から、家の中で使っている時計が、立て続けに止まった。壁に架けている大きめの時計と、台所で冷蔵庫にマグネットで貼っている、小さめの時計。どちらも故障ではなく、入れてあった乾電池の寿命によるもので、交換すると、それぞれ、すぐに動きはじめた。

どちらの時計も、使いはじめたのは、僕が西荻窪のこのマンションに引っ越してきてからだ。二人暮らしに移行して、かれこれ五年と数カ月になる。それだけの歳月が過ぎていれば、乾電池が寿命を迎えるのも、納得ではある。

西荻窪で、これまで過ごしてきた五年間。続けて何カ月も海外取材に行っていた時期もあった一方で、コロナ禍によってまったくどこにも行けなくなり、ひたすら机に向かって原稿を書いていた時期もあった。五年の間に、仕事の面では、取引先が変わったり、紀行文学賞をいただいたりと、いろいろ変化はあったが、生活の面では、何だかんだで穏やかに過ごせているような気がする。

次の五年間も、仕事ではせいいっぱい頑張りつつ、生活では引き続き穏やかに暮らしていければ、と思う。

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