同じ場所へ

午後、銀座のキヤノンギャラリーで開催中の大塚雅貴さんの写真展「サハラの風」へ。大塚さんご自身によるギャラリートークを拝聴させていただく。

大塚さんはサハラ砂漠、特に近年はニジェールの辺境の地に暮らす人々の姿を撮影している。砂漠の中に舞う鮮やかな民族衣装と、輝く黒い瞳。同じ場所に何度も通うことで少しずつ培った信頼関係があればこそ撮ることのできた、素晴らしい作品の数々だった。

世界各地を撮る写真家には、大きく分けて、移動をくりかえしながら新鮮な感動を探し続けるタイプの人と、同じ場所に何度も通って求めるテーマを深掘りし続けるタイプの人がいると思う。大塚さんは間違いなく後者だし、僕もおそらくそうだ。もちろん、同じ場所といっても広いから、その中でいろいろ動き回ったりあれこれ試したりするのだけれど。

僕の場合、ラダックで深掘りし続けているうちに、だんだん自分自身の個性とかこだわりとかが消えて透明になっていくような感覚を感じていた。そこに居合わせて、あるがままを撮り、書く、そんな感じ。人それぞれ、いろんなアプローチがあるのは当然だし、それぞれ違ってるからこそ面白いのだけれど。

そんなわけで、今月末から僕は、また同じ場所へ戻ることになる(笑)。

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