今までの自分の人生をふりかえって、日本の社会の価値観みたいなものに照らし合わせてみると、何というか、とにかく踏み外しまくってきた人生なんじゃないかなと思う。
大学では自主留年して、卒業するまで六年もかかっている。その後も、正社員として企業に就職することは一度もなく、バイト(肉体労働もやった)や契約社員の仕事を転々としては、ふらっと旅に出ていた。やがて、成り行きでフリーランスというわけのわからない立場になり、それでもそれなりに安定してきたと思ったら、全部放り出してインドの山奥に一年半も行ってしまった。今、受験勉強や就職活動にいそしんでる若い人たちから見れば、たぶん絶対に真似したくない、ちゃらんぽらんな人生だろう。
僕自身、その時その時は何の余裕もなくていっぱいいっぱいだったけれど、今思うと、そうして踏み外しまくってきたからこそ出会えた、かけがえのない体験もたくさんあった。そうした体験の一つひとつが、今の自分を形作ってくれたと感じている。安定しているように見えた道を踏み外してから初めて、本当の意味で自分自身の人生が始まったとさえ思っている。実際、結構いろいろ面白かったし(笑)。
受験に失敗したり、就職活動に行き詰ったり、その後の人生でつまずいたりしても、きっと大丈夫。踏み外した先には、必ず別の道が続いている。他人に迷惑をかけないことを心がけながら歩いていけば、そのうち何とかなると思う。たぶんね。