午後、八王子で取材。三鷹から電車に乗ってすぐ、取材の開始時間が一時間ずれるという連絡が届く。間が悪いったらありゃしないが、仕方ない。八王子の駅前でしばらく時間をつぶす。
取材自体は、今日はまずまずうまくいったと思う。相手はものづくりについて教える立場の方々だったのだが、何かを作ること、それを教えることへの熱意と信念のようなものが、言葉の端々からびしびしと伝わってきた。そういう言葉は生きているし、力がある。ライターとしては書きがいのある取材になった。
以前、法律を教える立場の人が、法律を勉強すれば、プロの法律家にならなくても、社会のさまざまな場面で論理的で説得力のある言葉を操れるテクニックを身につけられる、という意味のことを言っていた。それも一理あるのかもしれないが、僕にはそれがあまり響かなかった。論理があれば、人は説得できるのかもしれない。でも、論理だけでは、本当の意味で人の心までは動かせない。心を動かすのは、熱意とか、信念とか、そういう形のない、でも誰の中にもあるはずのものではないだろうか。
結局、僕らはみんな、人間なのだから。