昨日の夜は新宿で、知人の団体主催の電子書籍関連のイベントに参加。こういう同業者が集まる会に顔を出したのは、割とひさしぶりかもしれない。
終了後の飲み会の席で、こんなことを訊かれた。本を作る時、ライターとしての目線と、編集者としての目線は、どこで切り替えているのか? と。
僕の場合、書いてる間は常にライター目線だと思う。原稿が仕上がってゲラとして目の前に出てきた時、初めて編集者モードに切り替えて、突き放した目線で本として仕上げていく。だったら、原稿を書く前に構想を練ったり、途中で構成を検討したり、書き上げた原稿を推敲する時は編集者目線ではないのかと言われると、僕はそういうのも含めて常に同じ感覚で検討している。一冊の本としての完成形をまずきっちりイメージして、そこに向かって作り込んでいくのだが、ほとんどの場合、書きはじめる前に構成は固まっていて、ものによっては台割まで決め込むこともある。それはライターより編集者の目線に近い、と指摘されるなら、そうなのかもしれないけど。
どちらかというと、制作の各段階で俯瞰して全体を見渡したり、細部の精度にこだわったりといった切り替えの方が、一人で本づくりをする際には重要になると思う。うまくいってると思い込むと、往々にして失敗の原因になるから。