昼、電車に乗って護国寺へ。来日中のダライ・ラマ法王による東日本大震災の四十九日法要に参加する。
セキュリティチェックを終えて階段を上ると、本堂の前の広い境内は、三千人もの人々でぎっしりと埋まっていた。四基の大型スクリーンに、法王のご様子が映し出される。読経の声を聞きながら、家から持ってきた数珠を手にかけ、しばらくの間、じっと手を合わせて、震災で亡くなった方々や、被災地で不自由な暮らしを余儀なくされている方々のことを想った。
僕が祈ったからといって、苦しんでいる方々が救われるわけではないけれど、自分自身の心に祈りを刻むことで、何か変わるものがあるかもしれない。こういう機会に立ち会うことができて、よかったと思う。
夕方、新宿に移動して、新宿眼科画廊で今日から始まるたかしまてつをさんの個展のオープニングパーティーに行く。たかしまさんの作品は以前からいろんな場所で何度か拝見してきたけど、今回の展示は圧巻。白い壁一面にびっしり貼られているのは、キャンバスやダンボール、手帳のページ、レシート、文庫本のカバーなど、ありとあらゆるものに描かれた絵たち。奥の小部屋には、四枚のふすまにどーんと描かれた、文字通りのふすま絵もあるのだ。
パーティーの間も壁のあちこちをずっと眺めて回っていたのだが、見ていて感じたのは、たかしまさんは本当に、骨の髄まで絵を描くことが好きな人なのだなあ、ということ。見る人に元気を与えられる絵というのはすごいと思う。
祈りと元気とで、心が少し軽くなったような気がした。