東京五輪

2020年の東京五輪には、もともと、まったく興味がなかった。各国の代表選手や関係者の方々には悪いけれど。

僕の自宅にテレビはないし、観戦チケットに応募するという発想も1ミリもなかったし、開催期間中は東京を離れて、ラダックかどこかに滞在するつもりでいた。昨年来のコロナ禍で、東京五輪も、僕の海外渡航も、延期になってしまったわけだが。

僕の海外取材の仕事が復活するのは、どんなに早くても今年の暮れ以降になると予測しているのだが、東京五輪の主要関係者はまだ、今年の夏に予定通り大会を開催すると息巻いているという。東京はいまだに緊急事態宣言の真っ只中で、入院したくてもできない罹患者が何千人もいて、医療従事者も一般市民も疲弊し切っているというのに。

この状況下で、おそらく全部で数万人以上になる世界各国の代表選手団やその関係者を国内に招き入れ、コロナ対策を講じながら大会を開催するのは、どう考えても無理だ。そのために必要な医療従事者の人員を確保できるわけがない。各地の病院は慢性的に人手不足だし、大会と同じ時期には、全国各地でワクチン接種も実施されているはずだし。

そもそも、裏金と賄賂で誘致してきた五輪だった。新国立競技場はコンペの段階からグダグダだったし、大会エンブレムのデザインはパクリだったし、もっともコンパクトな大会になると謳われていた予算は、3兆円にまで膨れ上がった。そして昨年のコロナ禍で、何の根拠もないまま、とりあえずの1年延期。今、世論調査で国民の8割が中止か延期を望んでいる中、日本政府も東京都もIOCも、中止の言い出しっぺになって責任を負いたくないので、だんまりを決め込んでいる。

今は、世界中の人々が、とにかくコロナ禍を生き延びて、自分たちの生活を守り抜くために、ただただ必死にもがいているのだ。各国の代表選手や関係者の方々には悪いけれど、東京五輪は、今のこの状況でやるべきことでは、まったくないと思う。それよりもずっと大切な、社会を挙げて取り組まなければならないことが、たくさんあるはずだ。

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