厚手の毛布

一昨日、吉祥寺の無印良品で、毛布を買った。あたたかファイバー厚手毛布という商品。

これまで冬の寝具に使っていた毛布はかなり昔に買った綿毛布で、保温力が高いとは言えなかった。この冬はエアコンの暖房を極力使わないようにしてるので、ベッドで寝る時にしっかり保温できる毛布があるといいな、と思ったのだ。

この毛布、実際に使ってみると、大当たり。今まで冬の寝床で感じてた薄ら寒さは何だったんだというくらい暖かい。空気を含むみっしりとした壁にくるまれてるような感覚で、本当にぐっすりと安眠できる。値段も高くないし、もっと早い段階で導入しておけばよかった‥‥。

明日の朝、新潟への取材のために午前三時半に起きなきゃならないのだが、あまりにも毛布の寝心地がいいので、ちゃんと起きられるかちょっと心配(苦笑)。

未踏の地へ

昼、千駄ヶ谷で打ち合わせ。これから作る新しい本のデザインをお願いする方と。一緒にお仕事をするのはひさしぶりなのだが、企画のコンセプトや狙いを説明させてもらってるうちに、自分でも気分がちょっとアガってきた。いろいろ困難はあるだろうけど、いい本にできるといいな。

その後は場所を変えて、編集者さんと今後の進め方などについて軽く打ち合わせ。別れた後、新宿でちょっと買い物をし、目黒へ移動。駅の近くの喫茶店で、編プロの方と打ち合わせに臨む。

何の打ち合わせかというと‥‥2月中旬から10日ちょっとの間、バングラデシュに行くことになったのだ。バングラデシュ政府観光局が主催する、各国のマスコミ関係者を対象にしたファム・ツアー。これに参加して、案内される各地の見どころを撮影してくるのが主なミッション。いきなり予想の斜め上すぎる展開だが、これも仕事だ。

未踏の地への旅は、ちょっと楽しみでもある。その取材の影響で、新しい本の制作スケジュールがキツキツになってしまうかもしれないので、油断はできないけど。まずは目の前のことを、一つひとつ確実にやっていこう。

お金のやりとり、気持のやりとり

年末年始に帰省していた時、中1の姪っ子の宿題で「身の回りにいる人に“仕事とは何か”について聞きなさい」というのがあったので、僕もそれに答えることになった。

「仕事って、結局はお金のやりとりなんだよね。どんなにきれいごとを言っても、それは変わらない。仕事はお金のやりとり」と僕が言うと、近くにいた母があわてて何か口をはさもうとしたが(笑)、僕はそれを止めて言葉を続けた。

「でも、仕事でお金のやりとりをする時、お互いに対する感謝の気持も一緒にやりとりできたら、それはたぶん、いい仕事だったんじゃないかなと思うよ」

僕自身、常にそんな風に気持のやりとりもできる仕事をしているとは言えない。それなりに高額な報酬だったのに、依頼主と気持が通じ合わなくて、心の中にもやもやした後悔を残したまま終えた仕事も、正直たくさんある。そういう依頼主との仕事は、やっぱり長くは続かない。

でも、ほんとにささやかな規模の仕事でも、「いい文章を書いてくれてありがとう」とか、「いい写真を撮ってくれてありがとう」とか、関わった相手の気持が伝わってくると、自分の思い入れが文章や写真を通して伝わったのかな、とうれしくなる。それは社交辞令なのかもしれないけど、そうして伝わってくる気持が、僕を支えてくれている。

一字々々、一枚々々に、気持を込めて。たとえ愚直でも、僕にできるのはそれだけ。

「デリーに行こう!」

「デリーに行こう!」

2月15日(土)から公開されるインド映画「デリーに行こう!」の試写会に招待していただいたので、今日の午後、観に行ってきた。そういえば、映画美学校の試写室に入ったのは初めてだ。

デリーに行こう!」についての情報は、松岡環さんのブログなどで目にしていた。エリートキャリアウーマンのミヒカと、がさつなおっさんのマヌが、ひょんなことから道連れになって、デリーに行こうとするのだが、トラブルに次ぐトラブルで、なかなか辿り着けない‥‥という、インドのラジャスタンを舞台にしたロードムービーだという。そう聞いて僕は、インドのテレビドラマとかでよくある、典型的なベタでハチャメチャなコメディ(オーバーすぎる演技とかBGMとか、それはそれで好きなのだが)なのかなという先入観を持っていた。

ところがこの映画、思いのほか丁寧ですっきりした作りで、ベタなノリが苦手な人にも、王道を行くコミカルなロードムービーとして十分楽しめる。砂漠の星空と夜明け、ラクダが牽く荷車、列車の窓から吹き込む風‥‥。最初は高飛車で潔癖性だったミヒカも、旅の中で少しずつ変わっていく。トラブルに遭うたび「たいしたことはない!」と言い放っていたマヌの口ぐせも、物語の最後に、ちゃんと腑に落ちる。単なるコメディではない深みのようなものがある。

でも思うのだが、インドを訪れる日本人の旅行者にも、インドのもろもろに対してミヒカ並みに潔癖なリアクションをしてる人って、結構多いんじゃないかなと思う。僕はもう、何だかすっかり慣れてしまったのだが‥‥その方が変なのかな?(笑)

夜の歌声

うちのマンションがある住宅街はかなり静かなところで、僕の部屋が生け垣越しに面している細い通りは、自動車もほとんど通らない。近くにある幼稚園の通学路だからというのもあるだろう。

だから、夜になるとしーんと静まり返ってしまうのだが、そんな中、ほとんど毎晩のように、一人か二人、大声で歌を歌いながら自転車か何かで通り過ぎていく人たちがいる。若い男や女が多いが、たまにおじさんもいたり。お酒を飲んでご機嫌なのか、寒さを紛らすためなのか、何かすごくいいことか、あるいはすごく嫌なことがあったのか。

正体も理由も定かではないけれど、歌声だけはびっくりするくらいよく響くので、そのたびに笑ってしまう。あのー、聞こえてますよー。