居酒屋の記憶

たまに、無性に居酒屋に行きたくなることがある。

気の合う友達二、三人と、けっしてチェーン系ではない、場末の地味な居酒屋へ。瓶入りのサッポロラガーに、小さめのコップ。肴は焼き鳥の塩ナンコツ、川エビの唐揚げ、それから煮込みとか。そんな感じで際限もなく、ゆるゆる、だらだらと飲み続けたい。

そんなことを想像していたら、はたと気づいた。それって、大学に進学して東京に出てきた時に連れていかれた、学生寮の近所の居酒屋のメニューそのままじゃないか。酒を飲みはじめた頃に刷り込まれた記憶は、その後もずっと飲み方に影響するのかもしれない。

ネットで調べてみたら、当時連れていかれた居酒屋は、もう、なくなってしまったようだった。

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