およそ一年ぶりくらいに、相方と二人で、深大寺に蕎麦を食べに行った。
三鷹からバスに乗り、終点で降りて、すっかり覚えた道を歩いて、ここで行きつけのお店、玉乃屋さんへ。店の前には結構な長さの行列ができていたけれど、席数が多い上に回転も早いので、そんなに待たされることもなく、敷地内の屋根なし席の端っこに、首尾よくすべり込むことができた。空は清々しい快晴で、見上げると、真っ赤な紅葉の梢が広がっている。
深大寺ビールと天ぷらの盛り合わせ、相方はにしん蕎麦、僕は鴨田舎を大盛りで注文。この日あたりから新蕎麦に切り替わったそうで、口に含んだ太めの十割蕎麦は、驚くほど爽やかでみずみずしい味だった。去年も同じような写真を載せたのだが、あまりにも美味かったので、また載せてしまおう。
何というか……言葉にするのが難しいくらい、満ち足りた午後だった。人によっては、どうということのない時間なのかもしれない。けれど、そういう何気ない時間を、近しい人と分かち合いながら過ごせることは、とても恵まれているし、稀有なことなのだとも思う。そうしたことが当たり前ではない土地は、世界中にたくさんあって、今も刻々と広がっている。
また、蕎麦を食べに来よう。