先月中旬、あるフォトグラファーの方にインタビューした時、印象に残っている言葉がある。
「プロのフォトグラファーになりたいと思っている若い人は大勢いますが、実際にプロになる人は、ごくわずかですよね。写真の仕事だけで生活できるかどうかわからないから、みんな尻込みしている。そういう人に、僕はよく言うんです。自分が本当にプロになりたいかどうか、真剣に考えろ。本気でなろうと思えば、何にでもなれる。でも、『なれるものならプロになりたい』と思う程度だったらやめておけ、と」
まったくその通りだなと思うし、フォトグラファーに限らず、ライターにも、編集者にも、ほかのあらゆる職業にも通じる話だと思う。実際、なろうと思えば、僕たちは何にでもなれる。その上で必要なのは、自分が選んだ道で生き抜いていく覚悟。どんなに打ちのめされても、折れない心。たとえ先が見えなくても、前に踏み出す勇気。
それが、何者かになるということ。プロになるということなのだと思う。