姪っ子の懺悔

年末年始に安曇野で実家の人間たちと過ごしていた時、十歳になる姪っ子が、こんなことを僕に言ってきた。

「あのな、桃ちゃん(姪っ子の名前)、この前、悪いことしてしもうたんよ」
「何をしたん?」
「学校の先生がテストに点をつける時に、〝よくできました〟とかいうハンコを押すんじゃけどな」
「ふん、それで?」
「先生がテストに点をつけよる時、先生が見とらん間に、桃ちゃん、誰かのテストに勝手にハンコ押してしもうたん」
「まじで? それからどうしたん?」
「先生にゆうたら、あーあ、ってゆうとった」
「なんじゃ、解決しとるがな」

妹によると、最近の姪っ子は、こういうちっちゃな、しかも解決済みの悪事の懺悔ばかりしているのだという。あまりに取るに足りないことばかりなので、妹も最近は呆れて聞き流しているらしいのだが、まあ、小さい悪事を腹の中に溜め込んでいるよりは、健やかに育っているのかもしれない。

姪っ子も今度の春から小学五年生か。早いなあ。

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